2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳内サイトカインや増殖因子によるシナプス伝達制御機構の解明
Project/Area Number |
15300127
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高橋 正身 北里大学, 医学部, 教授 (10318826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高垣 洋太郎 北里大学, 医学部, 教授 (50281324)
中村 和生 北里大学, 医学部, 講師 (40189030)
東 貞宏 北里大学, 医学部, 助手 (80348507)
片岡 正和 信州大学, 工学部, 助教授 (90332676)
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Keywords | EFG / NGF / IGF-1 / 成長因子 / 神経伝達物質放出 / 開口放出 / PIP2 / PIP5キナーゼ |
Research Abstract |
サイトカインが作用すると、細胞内のホスファチジルイノシトール代謝が大きく変化する。開口放出におけるPI(4,5)P2の役割を明らかにするために、ラット副腎髄質細胞腫由来の株化細胞であるPC12細胞を用い、細胞膜上のPI(4,5)P2と開口放出装置の局在について検討を行った。細胞膜上においてPI(4,5)P2および開口放出に必須なタンパク質であるシンタキシンは局所的に集積したドット状の局在を示した。PI(4,5)P2とシンタキシンの両方と共局在する分泌小胞の数は開口放出誘導刺激後の細胞膜では減少した。一方、PI(4,5)P2の主要な合成酵素であるホスファチジルイノシトール-4-リン酸5-キナーゼ(PIP5K)を一過的に発現させると細胞膜上においてPI(4,5)P2とシンタキシンの両方と共局在する分泌小胞の数は増加し、Ca2+依存的な開口放出能の増強が認められた。シンタキシンは脂質ラフトに局在するThy-1とは共局在しなかったが、一部のPI(4,5)P2はThy-1と共局在を示した。一方、一過的に発現させたPIP5KはPI(4,5)P2および一部のシンタキシンと共局在していた。以上の結果に基づき、PC12細胞の細胞膜上にはPI(4,5)P2が局所的に集積したマイクロドメインが存在していると結論した。さらにシンタキシンとPIP5Kを含むタンパク質複合体によりPI(4,5)P2マイクロドメインの形成を時間的・空間的に制御することが神経伝達物質放出の制御・調節に重要な役割を果たしている可能性を明らかにした。
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Research Products
(4 results)