2005 Fiscal Year Annual Research Report
自律神経末梢組織におけるペースメーカーの多様性と類似性
Project/Area Number |
15300134
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中山 晋介 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30192230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 康 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (80303650)
井上 総一郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (20324428)
松原 達昭 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (30209598)
鈴木 光 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80037548)
高木 都 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00033358)
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Keywords | 自律神経 / ペースメーカー / c-Kit陽性間質細胞 / Caオシレーション |
Research Abstract |
心臓に限らず自律神経末梢各組織の運動は、それぞれ自律しており、この活動を神経が統合的に修飾するという共通の形式をとっている。本研究では、その中心となるペースメーカー機構を解明し、さらには自律神経末梢各組織における多様性や類似性を検討することを目的とする。 平成17年度は、小腸から作製した細胞小塊標本(直径100-300μm程度)を用いて、ペースメーカー機能の中心となるc-Kit陽性間質細胞(=Cajalの間質細胞:ICC)における自発性の細胞内Caオシレーションの特性について研究を進めた。平滑筋の自発性収縮は2B型スルフォニル尿素受容体(SUR2B)の活性化薬であるcromakalimを投与すると平滑筋の自発性収縮はほぼ完全に抑制されたが、ICCの細胞内Caオシレーションは保たれた。一方、1型スルフォニル尿素受容体(SUR1)の活性化薬であるdiazoxideを投与により、ICCのペースメーカーCaオシレーションは消失した。これらの結果は、ICCには膵臓β細胞と同様のATP感受性Kチャネルが存在して、その活動を修飾しすることを示唆した。さらに、RT-PCRと免疫化学染色でも、この結果は支持された。腸管運動と膵β細胞からのインスリン放出が協調して、生体のエネルギーレベルを調節することが示唆された。 私たちはまた、名古屋大学病院の患者様から摘出されたc-Kit陽性間質細胞の腫瘍(Gastrointestinal stromal tumor : GIST)を、酵素処理によって単離して、膜電流とCa活動を記録するとともに、RT-PCRによって発現するイオンチャネルを検討した。ペースメーカーCaオシレーションに重要な役割を演じるいくつかのイオンチャネルは、この腫瘍で保たれていることが分かった。
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Research Products
(6 results)