2004 Fiscal Year Annual Research Report
スライス培養系を用いた皮質脊髄シナプスの形成発達とその可塑性
Project/Area Number |
15300137
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Research Institution | Teikyo University School of Medicine |
Principal Investigator |
桜井 正樹 帝京大学, 医学部, 教授 (30162340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 昇 帝京大学, 医学部, 助手 (20365985)
前田 仁士 帝京大学, 医学部, 助手 (20349252)
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Keywords | 皮質脊髄路 / シナプス形成 / シナプス除去 / NMDA / スライス培養 / 臨界期 / 発達 |
Research Abstract |
我々はラット大脳感覚運動皮質と脊髄のスライスを共培養してin vitroで皮質脊髄シナプスを形成させることに世界に先駆けて成功し、このシナプスが7DIVでは脊髄全体に形成されるが、14DIVまでには腹側のシナプスが除去され、背側に限局すること、またこれがNMDA受容体依存性であることを示した。さらに、NMDA受容体の阻害剤(AP-5)の適用時期を細かく系統的に変えることにより、7-11DIVに感受性期があること、効果は観察しうる限り不可逆であること、この時期を過ぎてAP-5を適用してもシナプス分布には変化がないことを示し、臨界期の存在を明確に示すことができた。これはまた発達期シナプス可塑性における臨界期の初のin vitroモデルでもある。 in vivoでも実験を行い、同様のシナプス除去がP7-P10で起こることを示し、in vitroで観察された現象が生理的現象であり、かつ驚くほど類似した時間関係で生じていることがわかった。ただし、in vivoと異なりin vitroではシナプス部位での細胞外シナプス電位の極性が陽性であるため、in vitroにおいて膜電位感受性色素を用いて、シナプス電位と膜電位の光学シグナルを比較し、フィールド電位陽性部位がEPSP(脱分極)部位と一致することを確認した。 また、前年度までに発見された脊髄背側と腹側のシナプス競合関係をより詳細に検討するため、共培養各パートで薬物等培養液が異なる環境にできる分画培養装置を開発した。これは今後の研究に威力を発揮することが期待できる。
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Research Products
(5 results)