2005 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドチップを用いた実験動物感染症抗原エピトープの解析
Project/Area Number |
15300138
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安居院 高志 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (00212457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有川 二郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10142704)
浅野 淳 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (90312404)
高倉 彰 (財)実験動物中央研究所, ICLASモニタリングセンター, 室長 (60167484)
国松 己歳 名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (70145746)
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Keywords | ペプチドチップ / 抗原エピトープ / ハンタウイルス / マウス肝炎ウイルス / センダイウイルス / マイコプラズマ |
Research Abstract |
実験動物に対する主要な病原性ウイルスとしてマウス肝炎ウイルス(MHV)、センダイウイルス(HVJ)、及びMycoplasma pulmonisを選び、引き続きウイルスタンパク質について精細なエピトープマッピングを行った。MHV核タンパク質およびHVJ核タンパク質の部分ペプチド(10アミノ酸)を、それぞれN末から順に1アミノ酸づつずらしながらメンブレン上に合成して、タンパク質全体をカバーする網羅的ペプチドチップを作製した。MHVについては、自然感染マウス複数個体から血清を採取し、ペプチドチップに反応させて抗体の有無を確認した。その結果N末付近の2箇所の領域において、各個体に共通して特異的IgG抗体が存在していた。これらの領域の抗原性が高いことがわかった。さらに、HVJについては、実験感染させた近交系のマウス(C57BL/6,BALB/c,DBA/2,AKR)およびラット(BN,F344)の血清を用いて、ペプチドチップによる解析を行った。その結果、抗原性の高い領域は10箇所以上存在することがわかった。特に、N末付近の2箇所とC末付近の3箇所については、どの感染個体についても共通して特異的IgG抗体が検出された。以上の結果は、ペプチドチップ技術を用いることにより、MHV,HVJの感染モニタリングに利用可能な抗原ペプチドの候補が同定できたことを意味する。一方、感染血清中に、Mycoplasma pulmonisの膜タンパクAに対する特異的抗体が存在するかどうかをウエスタンブロット法により解析したところ、多くの感染血清中に抗膜タンパクA抗体が存在することが明らかになった。この結果は膜タンパクAがMycoplasma pulmonis感染モニタリング用の抗原として有用であることを示唆している。今後さらに多くの感染血清を用いたエピトープマッピング解析を行い、抗原ペプチドの同定を行う必要がある。
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