2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトてんかんと同じ遺伝子異常を持つモデル動物の作成とその神経薬理学的病態解明II
Project/Area Number |
15300146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
満留 昭久 福岡大学, 医学部, 教授 (30038749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼子 直 弘前大学, 医学部, 教授 (40106852)
荒木 喜美 熊本大学, 発生医学研究センター, 助教授 (90211705)
廣瀬 伸一 福岡大学, 医学部, 助教授 (60248515)
鈴木 登志郎 日本エスエルシー(株), 受託試験部, 課長
岡田 元宏 弘前大学, 医学部, 講師 (10281916)
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Keywords | てんかん / モデル動物 / ラット / 遺伝子 |
Research Abstract |
1 ヒトてんかんで発見される他変異の遺伝子への導入 申請者らが現有しているラットKCNQ2,3遺伝子の、KCNQ2,KCNQ3とSCN1AのcDNAに、ヒトてんかんで発見された遺伝子異常を導入した。 2 遺伝子異常を持つチャネルの電気生理学的異常の検定 1で作成した遺伝子異常をもっcDNAをHEK細胞で発現させ、得られる膜の電気生理学的特性をパッチクランプで検証し変異による異常が再現できるか確認した。 3 遺伝子組換えラットの作出 2のcDNAをさらに皮質・海馬発現用PFGFプロモーターをもつ哺乳動物ベクターに移入したのち、ラット受精卵に顕微注入して、仮親の卵管内に移植した。自然分娩にて得られた産子から、3匹程度の組み換え動物(ファウンダー)の作出を目指す。各ファウンダーラットよりF1マウスを作出し、6匹程度のヘテロ組み換えラットを得る。一部は実験に使用し、一部は次の世代の作出に使用した。 4 可変形システムによるノックインマウス作出 変異lox、71と2272にCre酵素を使用すると、変異loxで挟まれた領域を自由に置換できた。このシステムを使うため、まずKCNQ2,3遺伝子に変異loxを導入した。これを一旦、neomycineで選択維持した。その後、ヒトで同定された変異数種類をCre酵素にて置換し、puromycineにて選択した。 5 作出動物の遺伝子の分子生物学的、症候学的検証 3、4で得られた作出動物の脳より調整したmRNAと、脳のin situ hybridizationにて異常遺伝子の発現と表現型を確認した。同時にその表現型によって選別を行った。 6 作出動物の電気生理学的・神経薬理学的検証 (平成15年度はすでに作出に成功したCHRNA4変異ラットを使用した実験を行った。) テレメーターを用いた痙攣発作と非発作時の脳波の解析を行った。(1)海馬スライスを作成し、Multiple(64)-channel extracellular recording system (MED-64)を用いて、population spikes, EPSP(興奮性シナプス後電位)を測定。多チャンネル記録装置の導入により、被刺激部位からの神経細胞の興奮伝播を二次元的に解析が可能となる。(2)海馬スライスを用いて、スライスパッチクランプ法を用いて、シナプス伝達を介した、イオンチャネルの効果を検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mitsudome A., et al.: "The genetics of febrile seizures and related epilepsy syndromes"Brain Dev. 25. 304-312 (2003)
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[Publications] Mitsudome A., et al.: "X-Linked mental retardation and epilepsy : Pathogenetic significance of ARX mutations."Brain Dev. 25. 161-165 (2003)
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[Publications] Mitsudome A., et al.: "Essential Roles of Perform in Antigen-Specific Cytotoxicity Mediated by Human CD4+ T Lymphocytes : Analysis Using the Combination of Hereditary Perforin-Deficient Effector Cells and Fas-Deficient Target Cells 1"The Journal of Immunology. 170. 2205-2213 (2003)
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[Publications] Mitsudome A., et al.: "Effect of aging on autonomic function in individuals with severe motor and intellectual disabilities"Brain & Development. 25. 304-312 (2003)
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[Publications] Mitsudome A., et al.: "Favorable Seizure Outcome in Kabuki Make-up Syndrome Associated With Epilepsy"Journal of child neurology. 18. 549-551 (2003)
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[Publications] Mitsudome A., et al.: "F-waves in spastic cerebral palsy"Medical Bulletin of Fukuoka University. 30・4. 237-241 (2003)