2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15300169
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
中山 淑 上智大学, 理工学部, 教授 (00053653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小関 健 上智大学, 理工学部, 教授 (40245791)
藤井 麻美子 上智大学, 理工学部, 講師 (20173396)
福田 恵子 都立航空工業高等専門学校, 電子工学科, 助教授 (70396266)
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Keywords | 拡散反射型光CT / 3次元再構成 / 逆問題 / 近赤外光機器 / 正則化パラメータ / 再構成画像ノイズ / 空間分解能 / Moore-Penrose |
Research Abstract |
近赤外光機器の代表的な実用機器の一つに、頭部に装着して大脳皮質の賦活による血中ヘモグロビンの酸化還元状態などを観測するものがあるが、これによって得られる情報は2次元的なトポグラムに過ぎず深さ方向の分解能がないために皮膚血流とその奥にある目的の組織の血流とを区別することはできない。本研究では体表に2次元的に光源検出器を配列させ拡散反射光を計測し、深さ分解能を有する循環機能情報を毎秒数フレーム程度で画像化する装置の実現可能性を実験的に示すことを目標とする。 本研究では逆問題を正則化Moore-Penrose一般逆行列で定式化しており、前年度までに基本的システムの構築と再構成の性能評価方法について提案した[Phys.Med.Biol.]。さらに、光源検出器系によって決まる本質的な空間分解能と再構成画像ノイズとのtrade-offを解析した[OSA Biomedical Topical Meetings and Tabletop Exhibit, April(2004),日本ME学会]。実際の計測を考慮して、同時に表層付近と深部に吸収係数の変化がある場合を想定すると、均一画素且つ単純正則化による再構成では目的の深部の再構成信号は媒質表面付近の再構成信号に埋もれてしまう。この再構成信号感度の深さ依存性はMP一般逆行列が最小ノルムとなる解を与えるためであり、均一画素による再構成では測定感度がそのまま再構成信号感度となる。そこで水平方向の画素サイズを深さに伴い広げることで再構成信号感度を均一化して、異なる深さの信号を同時に検出する手法を提案し、その実効性をシミュレーションにより証明した[Second Asian and Pacific Rim Symposium on Biophotonics, December(2004)]。さらに、本年度本補助金によって購入した日立メディコ社製トポグラフィ装置を一部改造して、一組の光源検出器による感度分布を調べ、トポグラフィにおいて測定点と考えられている光源検出器の中間点よりも光源直下での感度が強いことを確認した。一方、有機溶媒、色素、ポリスチレン粒子を用いて、屈折率、吸収係数、散乱係数を任意に制御したファントムを製作できることを実験的に確かめた。 最終年度では、上記トポグラフィ装置を改造して、上述のファントムについてデータを取得し、提案した3次元再構成を実験的に示すことができると考えている。
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Research Products
(3 results)