2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖制御による生体組織及び臓器保存・治療システム
Project/Area Number |
15300182
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
玄 丞烋 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (90283655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 定美 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (00028739)
和田 洋巳 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90167205)
中村 孝志 京都大学, 大学院医学研究科, 教授 (10201675)
米田 正始 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20303810)
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Keywords | EGCG / 膵島及び皮膚組織 / 内膜肥厚抑制 / 移植 / ヒト角膜 / 免疫抑制効果 / 血小板保存 / 神経保存 |
Research Abstract |
1)膵島及び皮膚組織の凍結保存後の移植実験;EGCGを30-120μg/mL添加することで、解凍後の膵島生存率を1.5〜2.0倍に高め、インスリン産生能も高く維持することができた。また、皮膚の凍結保存もEGCG添加した時の方が解凍後の細胞生存率が高かった。 2)動物血管(内膜肥厚抑制)と皮膚組織の常温保存後の移植実験;EGCGを0.1〜1.0mg/mL含んだ生理食塩水で1時間処理したウサギ頸静脈を頸動脈に移植したところ3週間後の内膜肥厚が半分以下に抑えられた。皮膚も、EGCG添加保存液中で2週間保存後、移植したところ、EGCGを含まない保存液で培養したものに比べ、生着率が高かった。 3)ヒト角膜の常温保存;シアトルアイバンクよりヒト角膜を入手し、EGCGの添加効果を検討した。ヒト角膜を2週間200μg/mLのEGCG添加保存液で4℃保存した時、EGCG未添加保存角膜に比べ、上皮の生存率および細胞増殖率が高く保たれ、内皮細胞の形態も良好に維持されていた。また、組織学的にも構造が維持されていた。 4)免疫抑制効果の検討;EGCGを100〜200μg/mL含むRPMI培地でマウスリンパ球を1時間処理し、種類の異なるマウスリンパ球と混合するMLR実験を行った結果、免疫反応を示すIL2の産生度合いが、EGCG処理をしなかったリンパ球にくらべて3分の1以下に抑えられた。また、マウス間のリンパ球移植でも有意に免疫抑制効果が現れた。 5)血小板の保存;多血漿血小板液にEGCGを50-100μg/mL添加し、1週間室温で振盪しながら保存した後のコラーゲンおよびトロンビンによる凝集能の維持率を調べたところ、EGCG添加によって10%以上高く維持されていることがわかった。また、血小板のアポトーシスの割合も20%以上抑制されていた。
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Research Products
(4 results)