2003 Fiscal Year Annual Research Report
超音波造影法による乳癌のセンチネル(見張り)リンパ節同定法の研究
Project/Area Number |
15300186
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
尾本 きよか 自治医科大学, 医学部, 講師 (90306118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穂積 康夫 自治医科大学, 医学部, 講師 (50260831)
伊東 紘一 自治医科大学, 医学部, 教授 (60095007)
谷口 信行 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10245053)
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Keywords | センチネルリンパ節 / 超音波造影法 / 乳癌 / アルブミン / ガンマプローブ法 / 色素法 |
Research Abstract |
・センチネルリンパ節(見張りリンパ節)とは、腫瘍がリンパ管を経由して最初に転移するリンパ節のことで、乳癌患者においてをこれを術前に同定し、癌転移の有無が確認できれば、リンパ節廓清を省略する縮小手術を選択することにつながる。そうすればQOLを低下させるリンパ浮腫などの合併症を減少させることができる。それゆえ、このセンチネルリンパ節の同定は重要な乳癌の術前検査として注目されている。 ・現在センチネルリンパ節同定法に関して、主にガンマプローブ法と色素法とが行なわれている。ガンマプローブ法は精度の高い方法ではあるが、使用する装置・機器が高額であること、アイソトープを扱わなければならず利用できる場所が限られる。一方、色素法は操作に熟練を要することなどから、いずれの方法も全国的に普及しているとは言い難いのが現状である。 ・そこで我々は、容易に・短時間で・低侵襲的なセンチネルリンパ節の同定法の開発を目指して、超音波造影剤を利用した超音波画像による新たなセンチネルリンパ節同定法について研究を開始した。本年度は、動物実験の結果をふまえ、ヒト乳癌患者を対象に臨床検討を行なった。具体的には、乳癌患者5人を対象に25%アルブミン溶液を皮下に5cc注入して、腋窩部を超音波で観察した。その結果、全例においてセンチネルリンパ節と思われるリンパ節のエコーレベルが増強されて観察された。これらのリンパ節の切除標本における組織病理学的検討からも、同定されたリンパ節がセンチネルリンパ節である可能性が示唆された。これを平成15年10月4日に開催された日本超音波医学会関東甲信越地方会において「25%アルブミン溶液を用いた造影超音波画像によるセンチネルリンパ節同定法」という表題で発表した。 ・その後も症例を積み重ね計19症例経験したが、現在更に検討を加えているところである。
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