2003 Fiscal Year Annual Research Report
エビデンス確立にむけた呼吸リハビリテーションの基礎的検証
Project/Area Number |
15300192
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒澤 一 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (60333788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛田 渉 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10142944)
一ノ瀬 正和 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80223105)
上月 正博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70234698)
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Keywords | 口すぼめ呼吸 / 換気力学 / パニック / 呼吸困難 / 呼吸理学療法 / 呼吸筋酸素消費量 / ボディボックス / ゆらぎ |
Research Abstract |
1)口すぼめ呼吸で想定されている気道拡張効果、呼吸パターンの変化による換気効率効果などを検証する目的で、換気力学的評価を行うための実験条件設定を行った。健常人10名で口すぼめ呼吸を行い、呼吸抵抗をオッシレーション法で測定し、抵抗の変動範囲を予備的に把握した(これらの基礎データは米国胸部疾患学会(ATS)に演題が採択され、報告予定である)。また、健常人では、鼻クリップをしなくても口すぼめ呼吸の状態で肺抵抗が上昇し、軟口蓋が反射的に閉じることが予想され、実際にファイバースコープで確認した(日本呼吸管理学会発表予定)。口すぼめ呼吸をしながら肺機能を評価するためのマウスピースなどの機構についてVCKマウスピースを使用予定であったが、さらに改良を重ね、より正確な測定ができるように工夫した。さらに改良を重ね、死腔を減らす措置を講じる予定である(特許申請を検討)。パニック対策としての効果を見るために口すぼめ呼吸をしながら脳波変化及び心電図変化、血圧変化などを見るために基礎的な条件設定を検討した。心電図と脳波のゆらぎの同時解析などを行うこととし、来年度の課題として持ち越すことにした。 2)用手的な胸郭可動性改善を目的とする理学療法の意義について、新規に購入した肺機能検査システムを用いて評価した。重症肺気腫8名に対する手技の前後で、気道抵抗は変わらず、肺活量、最大吸気量が増加、肺気量は減少した。また、酸素消費量は減少した(ATS、日本呼吸管理学会に報告予定、総合リハ誌に投稿、受理され印刷中)。前後で呼吸筋酸素消費量を測定することにしていたが、機械が老朽化しており、新機構を盛り込んだ上、新たに部品を購入し自作した(新機構などについて特許申請を検討中、その後に学会報告及び投稿予定)。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 松本香好美, 黒澤 一, 森直樹, 後藤葉子, 上月正博: "呼吸理学療法が重症肺気腫患者の肺気量分画に及ぼす即時的効果についての検討"総合リハビリテーション. (印刷中). (2004)
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[Publications] Kurosawa H, Kohzuki M: "Images in Clinical Medicine : Dynamic Airway Narrowing"New England Journal of Medicine. 350. 1036-1036 (2004)
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[Publications] 黒澤 一: "末梢気道の直接的換気力学測定"呼吸と循環. 51. 249-254 (2003)
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[Publications] Matsumoto K, Kurosawa H, Goto Y, Mori N, Kohzuki M: "Functional residual capacity decreased after chest physiotherapy"American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine. 167. A668-A668 (2003)
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[Publications] 黒澤 一, 上月正博: "急性期からの呼吸リハビリテーション:COPDの急性増悪"Clinical Rehabilitation. 12. 391-398 (2003)
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[Publications] 黒澤 一, 上月正博, 一ノ瀬正和: "診療ガイドラインの作成動向"EBMジャーナル. 4. 24-30 (2003)
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[Publications] 黒澤 一他: "呼吸リハビリテーションマニュアル-運動療法-"照林社. 144 (2003)