2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15300198
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
原 和子 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90180992)
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Keywords | 介助犬 / 作業療法 / 適性評価 / 動作分析 / 作業遂行 / リハビリテーション / 身体障害者補助犬 / 社会適応 |
Research Abstract |
平成16年度は、介助犬使用の判断とその有効性を客観的に評価するために、三次元動作分析装置を用いて立ち上がり動作を検討した。さらに、介助犬適応に関するモデル例および問題例を検討した。 1.三次元動作分析装置による介助犬との協業動作の有効性評価 平成15年度では多発性硬化症による歩行障害に対し、介助犬が推進力の補助のみならずバランスを崩す場面で、押し返す動作により有効に歩行出来ている状況を報告できた。続いて、平成16年度では、関節リウマチ者の介助犬希望者が持つ介助犬へのニードの内、立ち上がり動作について検討することとした。健常者を用いた実験では下肢運動範囲の軽減を認めた。しかし下肢モーメントのパターンが一様ではなく、それらを分類した。介助犬介入による有効性との関係を身体障害と関係づけながら検討することが今後の課題としてあげられた。 2.介助犬適応に関する症例検討 (1)介助犬使用者の会の会員について、適応例における社会的問題への解決法、適応出来なかった例の背景について作業療法学的に検討した。 介助犬と共に暮らす社会が推進される背景として、店舗への入店、ホテルや劇場の利用、公共交通機関の利用がバリアフリーであることがあげられる。建物の構造だけではなく、拒否されないことも大きな条件のひとつである。適応例では、介助犬導入に問題が生じた時に、個人的あるいは組織的な援助があり、解決されていた。不適応例では、介助犬の訓練に負担を感じており、その原因のひとつとして、介助犬の技術的な訓練の負担よりも、作業の有効感、達成感をつかめずにいるレシピエントの作業遂行障害を見逃している現状がある。これは、介助犬育成団体が動物の専門家中心に動いていることの弊害であり、今後は障害者のリハビリテーションの観点から、作業療法士をはじめ、医療従事者の参加によるチームワークの必要性が明らかになった。
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Research Products
(4 results)