2003 Fiscal Year Annual Research Report
各種トレーニングが関節の柔軟性および筋の伸展性に与える影響に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15300224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
中嶋 寛之 日本体育大学, 体育学部, 教授 (50155727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中里 浩一 日本体育大学, 付置研究所, 講師 (00307993)
石井 直方 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20151326)
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Keywords | 関節柔軟性 / エキセントリック収縮 / 下腿三等筋 / 動物モデル |
Research Abstract |
平成15年度はトレーニングに対する関節柔軟性の急性な応答の例としてエキセントリック収縮(EC)と関節柔軟性の関係を検討することとした.以下にその成果を示す. <目的> ECはその後の筋内浮腫形成等の結果,当該関節柔軟性の低下をもたらすとの臨床的指摘がある.本研究は、ラット下腿三頭筋におけるECがその後の足関節の柔軟性に及ぼす影響を実験的に検討した.その際,加齢との関係もあわせて検討した。 <方法> 対象は、Wistar系ラット(オス、Y群:10週齢、YO群:35週齢,各群6匹)とした。ECは麻酔下での下腿三頭筋の電気刺激と足関節の強制的背屈の組み合わせで行なった.関節柔軟性の評価には静的張力と動的張力を用いた.静的張力は関節角度を固定(15°および30°)した状態で足底にかかる力とした.動的張力は足関節0°から20°に他動的に背屈させる間に足底での張力の総和とした.測定期間はEC後7日間とした. <結果> (1)EC前のYO群の静的および動的張力はY群に比較して有意に高値であった.(2)EC後の静的,動的張力はともに、Y群で3日後まで徐々に上昇しその後低下した.特に3日後の値はEC前の張力と比較して有意に高値であった.(3)YO群ではEC後張力は上昇したものの有意な変化はなかった.また張力のピークが得られる日数がY群と比較して遅延する傾向が観察された. <考察> EC前の足関節の静的および動的張力の結果から,より高齢なラットにおける関節の柔軟性が低下していることが示唆された.またEC後の静的および動的張力変化の結果から,ECにより関節柔軟性が低下することおよび低い週齢であるほどその応答は顕著であることが示された.これらの結果は臨床的な知見とほぼ一致するものであり,今回初めて実験的に再現できたと考えられる.
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[Publications] Ochi E.: "Effect of eccentric joint flexion on stiffness of rat ankle joint and gastrocnemius muscle extensibility"Medicine and Science in Sports and Exercise. 35. S387 (2003)
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[Publications] Song H.: "Effect of Increased Excursion of the Ankle on the Severity of Acute Eccentric Contraction-Induced Strain Injury in the Gastrocnemius : An In Vivo Rat Study"American Journal of Sports Medicine. 32(in press). (2004)