Research Abstract |
本研究の目的は以下の2つである. 1.10〜20年前に測定対象とした中高齢者の活力年齢を再度測定し,活力寿命を評価する指標を作成するためのデータベースを構築する. 2.ADL(activities of daily living)やQoL(quality of life)が顕著に低下した集団を擬似死亡群と定義し,活力寿命を評価する指標を提案する. この研究目的を達成するために,昨年度に引き続き研究分担者および従来の共同研究者の協力を得て,名古屋市立大学,大阪市立大学,大阪府立看護大学,広島大学,九州大学にて,10〜20年前に測定対象とした中高齢者の現在の健康・体力水準を把握すべく,情報整理を進めるよう要請した.また,茨城県内にて過去の研究対象となった中高齢者について,近隣病院の協力を得ながら個人情報保護法や倫理上の問題に抵触しないよう配慮し,生死の確認を進め,体力測定が可能な者については再測定を実施した. 本年度は,特に死亡者の追跡調査に従事した.その結果,調査開始から2005年の時点で死亡の確認された者は,全対象者のうち,男性11名,女性5名,計16名であった.また,再測定に関しては,5年以降も出田を収集できた者は男性24名,女性47名,計71名であった. 主要な知見として,1.循環器疾患による男性死亡者は,同様の疾患を保有している非死亡者や一般健常者に比べ,ベースライン時の健康・体力水準の低いこと,2.循環器疾患患者であっても10年以上にわたり長期間運動を継続していれば,運動を実践していない患者に比べて,健康・体力水準を良好に維持していることが明らかとなった.
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