2004 Fiscal Year Annual Research Report
運動に制限がある人々への機能的電気刺激による運動療法の開発と実験的検証
Project/Area Number |
15300231
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森谷 敏夫 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (90175638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 達也 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (00314211)
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Keywords | 運動療法 / 機能的電気刺激 / 糖代謝 |
Research Abstract |
超高年齢化社会を迎えた今日、寝たきりの患者や慢性的な運動不足者、体力の低下し人々、あるいは過度の肥満や整形外科的疾患などのために、有酸素運動を十分に行えない人々が多数存在する。さらに、糖尿病性合併症や心血管系合併症などの臓器障害により、運動制限を必要とする患者も多く認められる。そのため、有酸素運動やレジスタンス運動の代償となる運動方法の開発が急速に望まれる。 本研究は機能的電気刺激の手法を用い、運動に制限がある人々の運動療法を確立しようとするものである。本年度は、平成15年度の研究で確立した有効な機能的電気刺激の運動療法への応用性を1)筋トレモード、2)血流促進モード、3)糖代謝促進モード、4)脂肪燃焼促進モード、5)やすらぎ(1/f)モードの開発を目指して実験を進めてきた。その結果、筋トレモードでは下肢の手動金筋の収縮を先行させ、50ミリ秒ほど遅れて拮抗筋の収縮を行わせることにより、筋肥大効果を促進させうる可能性が示唆された。また、血流促進モードでは、下腿三頭筋と前頚骨筋を同時刺激し、静脈還流が大腿部に到着する時間をドプラー血流計を用いて実験的に測定して、得られた時間遅れで大腿四頭筋とハムストリングスを同時刺激して、心臓への還流を促進することも可能となった。糖代謝や脂肪燃焼モードの検証にはグルコースクランプ法によって直接筋の糖取込み量測定し、呼気ガス分析により最善の刺激パターンを見出すことができた。今年度の研究により、臨床への応用が可能となり、来年度の最終年度では軽度の肥満症、糖尿病などの有疾患患者での検討が可能となった。
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