Research Abstract |
本研究では,高弾性衣料として,女性ファンデーション,レッグウェア,スポーツウェアを取り上げ,被服材料学的,人間工学的,被服生理学・運動生理学的,感性工学的観点から総合的・複合的に解析し,健康で快適な高弾性衣料のための具体的な設計指針の導出と開発を目的として,以下の研究を実施した. 1.衣服圧測定および表示方法の標準化を目的として,簡便でより精度の高い脚型着圧測定機を開発した.前年度において,シリンダーのストローク長さおよびセンサー曲率を検討した.それを受けて,今年度は,人体着用圧への変換式を導出し,ほぼ完成に至った. 2.腕伸展運動の負担軽減に対する弾性テープの影響について検討した.日常の動作や運動において腕の伸展運動は頻繁に行われる.本研究は,効果的なテーピング機能をもつウェアを開発することを目的に,その基礎研究として,腕伸展運動を補助するテーピングのあり方を明らかにした. 3.筋機能低下を伴う高齢者の日常動作を支援することのできる快適なタイツなどの下衣を設計することを目的として,弾性テープを用いて種々のテーピングを行い,それらが膝関節運動時の活動筋に及ぼす影響を筋電位の測定・解析により明らかにした. 4.スポーツウェアの通気性をコントロールするための抜蝕加工のあり方を検討した. 5.レッグウェアの審美性は圧的快適性と同様に,快適性のための重要な要因の一つである.そこで,パンストの構造特性と透明感,色彩との関連性を明らかにした. 6.2色配色等幅縦縞柄のレッグウェアが視感に及ぼす影響を3次元画像を用いて検討した. 7.最終年度にあたり,これまでの研究成果の総括を行った. 以上,本年度の研究計画は十分に実施できたと判断される.なお,現在も研究の推進を図っている.
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