2005 Fiscal Year Annual Research Report
食後高脂血症に影響を及ぼす食事由来因子の探索および作用メカニズムの解明
Project/Area Number |
15300252
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
近藤 和雄 お茶の水女子大学, 生活環境研究センター, 教授 (30153711)
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Keywords | 食後高脂血症 / 脂肪負荷 / Caco-2細胞 / 透過実験 / レモンフラボノイド / エリオシトリン |
Research Abstract |
近年、食後高脂血症の動脈硬化症進展因子としての役割に注目が集まっている。そこで初年度では、油脂の種類、含量の異なる三種類のマヨネーズについて、負荷試験を行い、負荷後、TGマヨネーズに比較して、TGハーフマヨネーズでは、血清TG、カイロミクロンの上昇が有意に抑制されたこと、DGマヨネーズでは、TGマヨネーズと比較して、カイロミクロンの上昇がみられたこと、また、脂肪負荷食と緑茶を同時に摂取すると、カイロミクロンのTG濃度の上昇が有意に抑制された(p=0.0093)ことを明らかにした。 そこで、2年度では緑茶に加えてレモンに関して、食後の高脂血症に及ぼす影響を検討し、脂肪負荷食とレモンを同時に摂取させると、食後のTG、カイロミクロン-TGの増加は有意に抑制または遅延することが明らかにした。レモンフラボノイドならびにレモンから抽出したエリオシトリン投与においても同様の結果を示すことから、レモン中に含まれるエリオシトリンを主体としたレモンフラボノイドが脂肪負荷食後のTG増加を何らかの機序で抑制していることが明らかとなった。 そこで、3年度では、この機序を明らかにするため、Caco-2細胞を用いて小腸上皮モデルを構築し、透過試験を行なった。代表的な脂肪酸として、パルミチン酸を指標に検討を行なうと、EGCでは差が認められなかったものの、EGCg添加では、透過の有意な減少が見られ、パルミチン酸の膜での吸収を抑制する可能性のあることが明らかになった。 そこで、次年度では、レモンフラボノイドでCaco-2細胞を用いて、透過実験での確認を行なうのに加えて、リンパカニュレーション試験を行い、リンパ経由での脂肪吸収動態を検討する。
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