2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本海における中層循環場とその海洋生態系へのインパクトの解明
Project/Area Number |
15310018
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
渡邊 達郎 独立行政法人水産総合研究センター, 日本海区水産研究所・日本海海洋環境部, 主任研究官 (80360767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 修 独立行政法人水産総合研究センター, 日本海区水産研究所・日本海海洋環境部, 室長 (70371896)
井口 直樹 独立行政法人水産総合研究センター, 日本海区水産研究所・日本海海洋環境部, 主任研究官 (00371899)
木所 英昭 独立行政法人水産総合研究センター, 日本海区水産研究所・日本海漁業資源部, 研究員 (50371894)
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Keywords | 日本海 / 中層循環 / LADCP |
Research Abstract |
1.H15・16年に行われたCTD及び係留系調査から、日本海の極前線(北緯40度)以北の海洋循環の絶対流量が明らかとなった。具体的には、対馬暖流と亜寒帯循環から形成される極前線の東向流量は約3.0SV、その内、亜寒帯循環の流量は約0.8SV、亜寒帯循環の北部のロシア沿海州沖に存在する低気圧性循環(北部循環)の流量は約0.8SVであった。この結果から、北部循環の流量が今まで考えられていたものより大きく、日本海北部の循環を考える上で重要な循環であることが明らかとなった。 2.ロシア沿岸起源の低温・低塩の中層水は、対馬暖流の下層の水深100〜200mに存在し、流速の鉛直勾配が大きかった。その平均東向流速は3〜5cm/sであった。懸架式超音波流速計(LADCP)は、地衡流計算では得られない高精度で中層付近の流速場の鉛直構造を捉えることができた。しかし、海域によっては慣性振動や潮流が大きく、これらの短周期成分の除去が次年度の課題となった。 3.ノルパックネット及びボンゴネットを用いて、日本海北部に多く分布する主要冷水性オキアミThysanoessa longipesの幼生の海域毎の頻度分布及び体長組成を調べた。その結果、ブルーミング終了後の7月においてもThysanoessa longipesの生後間もないカリプトピス幼生が亜寒帯循環域に多く見られ、ロシア沿海州付近から移流している可能性が高いことが示された。また、亜寒帯循環域は未成体及び成体の体長組成にばらつきが多く、発生時期の異なる幼生の加入を示唆していた。
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Research Products
(2 results)