2003 Fiscal Year Annual Research Report
ごみ減量制度への合意形成とその規定因に関する環境心理学的研究
Project/Area Number |
15310025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
広瀬 幸雄 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (10117921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 進 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80301860)
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Keywords | ごみ減量制度 / 市民参加 / 合意形成 / 社会調査 / 手続き的校正 / 参加型会議 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の通りである。 1.市民参加によるごみ処理基本計画策定にたいする住民評価についての社会調査 市民参加によるごみ処理基本計画を策定した日進市・津島市・西春町において、それに参加した市民や職員への聞き取り調査と質問し調査を実施した。計画策定への参加によって行政への信頼や双方向的コミュニケーションが促進したこと、参加型会議の手続きの公正さや実効性の評価が、市民参加への肯定的評態度を規定しているとの態果を得た。さらに、日進市で実施した社会調査を再分析した結果、ごみ処理計画への評価には参加型計画策定で期待される社会的便益が主たる規定因となるのにたいし、計画策定への参加意図に様参加によって期待されるエンパワーメントが主たる規定因となることも確認した。この結果は、ドイツ環境心理学会議において発表した。 2.環境政策についての参加手法とその実施事例の収集と分析作業 ドイツ、オランダの環境政策への市民参加の事例を分析した結果、参加型会議は、一般市民による会議、利害関係者による会議、両者の会議を組み合わせたハイブリット型会議の3つに分類できることが判明した。ハイブリット型会議の事例のより詳細な情報を収集するため、カールスルーエ市において市役所、環境団体等への聞き取り調査を行った。また、オランダのエネルギー政策への国民会議型参加事例について、研究者に聞き取り調査を実施した。また、オランダにおける市民参加の環境心理学的研究の第1人者であるMidden教授らを招聘し、オランダの市民参加についての情報捷供と講演およびわれわれの研究計画と中間的成果のレヴューを依頼した。その結果に基づいて、次年度の研究計画を策定した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hirose, Y.: "Simulation game of industrial wastes management and its educational effect."Journal of Material Cycles and Waste Management. 6,1(in press). (2004)
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[Publications] Ohnuma, S.: "How did residents accept a demanding rule : fairness and social benefit as determinants of approval for a recycling system."Japanese Psychological Research. (in press). (2004)
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[Publications] 大沼進: "環境政策における合意形成過程での市民参加の位置づけ"社会心理学研究. 19,1. 18-29 (2003)