2003 Fiscal Year Annual Research Report
住民参加による再生可能エネルギー普及とその地域社会への影響に関する研究
Project/Area Number |
15310028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
和田 武 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (40261002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 幸子 神戸市立外国語大学, 外国語学部, 教授 (80220953)
山口 歩 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (10278484)
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Keywords | 再生可能エネルギー / 住民参加 / ドイツ / シュレスヴィッヒ・ホルシュタイン州 / 北フリースランド / 地域社会 / 持続可能な社会 / 風力発電 |
Research Abstract |
ドイツにおける住民参加による再生可能エネルギー普及状況、およびその社会的影響、関連技術・産業動向の実態調査と資料収集を平成15年8-9月には全員で、平成16年3月には代表者と和田幸子の2名で実施した(山口は体調不良により不参加)。全般的動向を把握するための行政機関への訪問調査と、風力発電などの普及で先進的なシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州の調査でのフィールド調査を行った。最初の調査でシュレスヴィッヒ・ホルシュタイン州の中でも北海沿岸の北フリースランド地域がとくに住民参加による普及が進んでいることが判明し、2度目の調査ではこの地域に焦点を当てて、風力発電、バイオガス発電・熱利用、太陽光発電などに取り組む住民組織や市民出資会社、行政機関、地域住民、関連企業などの訪問、きめ細かい聞き取り調査を実施し、「再生可能エネルギー法」の効果、市民中心の普及推進構造の形成や普及による地域社会の発展(エネルギー自給率の大幅な向上、地域の自立的民主的経済発展、新産業の成長と雇用の創出、住民の環境意識の向上など)に関する重要な知見を獲得できた。 また、国内でも地域住民の取り組みを中心に、バイオディーゼル利用を推進する菜の花プロジェクトや新潟県での雪氷冷熱エネルギー利用についての現地調査・聞き取り調査を実施した。 調査によって得られた事実は、これまでの筆者の持続可能な社会発展理論を実証するものでもあった。 これらの研究成果に収集資料・データ等から得られた新たな知見、さらにそれ以前の研究結果をも加えて、研究成果として積極的に発表した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 和田 武: "自然エネルギーの普及を推進する電力買取補償制度"環境展望. Vol.3. 43-68 (2003)
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[Publications] 和田 武: "欧州の再生可能エネルギー普及と市民の役割"第22回日本環境会議論文集「環境再生と維持可能な社会」. 207-214 (2003)
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[Publications] 和田 武: "自然エネルギー先進国の取り組みと地域住民の役割"議会と自治体. No.69. 36-44 (2004)
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[Publications] 和田 武: "環境先進国の温暖化防止・エネルギー対策"歴史地理教育. 653号. 28-35 (2003)
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[Publications] 和田 武: "地球温暖化問題と自然エネルギー普及"京都工芸繊維大学環境科学センター報・環境. 15号. 15-19 (2003)
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[Publications] 和田 武(訳者): "ドイツ「再生可能エネルギー法」"環境問題資料集成. 第4巻. 198-202 (2003)
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[Publications] 和田幸子: "新たな経済開発論への試行と再生可能エネルギー"神戸市外国語大学外国語学研究所. 78 (2004)