2004 Fiscal Year Annual Research Report
住民参加による再生可能エネルギー普及とその地域社会への影響に関する研究
Project/Area Number |
15310028
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
和田 武 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (40261002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 歩 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (10278484)
和田 幸子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (80220953)
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Keywords | 再生可能エネルギー / 住民参加 / インド / 日本 / 地域社会 / 社会変容 / 技術発展 / 風力発電 |
Research Abstract |
2004年度は、インドと日本での住民参加による再生可能エネルギー普及に関する調査研究を実施するとともに、これまでの研究成果のまとめと発表を行った。 発展途上国のなかでとくに再生可能エネルギー普及政策を積極的に推進するインドに焦点を当て、タミルナド州、ウッタルプラデシュ州、ハリヤナ州を中心に、普及がもたらす地域社会や住民生活への影響について、現地視察、住民やNGO、行政関係者などからの聞き取りによる調査を実施した(和田 武・和田幸子)。インドでは、生活に密着した再生可能エネルギーが普及しつつあり、それを通じて、未電化地域の電化や飲料水の確保をはじめとする生活向上、衛生状態や教育条件の改善、女性労働の軽減など、先進国にはあまり見られない地域社会への好影響がもたらされていることが判明した。インドの再生可能エネルギー利用は、彼らの古来の歴史的・文化的な背景のもとに独特の形で促進されており、現地の実態調査を進める中で、途上国の今後の経済開発を考察する場合の大きなヒントが得られた(和田幸子)。日本国内では、住民参加による再生可能エネルギー普及を推進するための新しいシステムが、野洲町など各地で生まれつつあり、そういう場合には環境保全だけではなく、地域社会の自立的発展を促す効果もあることを見いだした(和田 武)。また、再生可能エネルギー普及を目指すNGOも活発に活動しており、都市住民と地方の住民との交流を促すなど、環境保全と同時に社会変容をもたらす効果もみられはじめている。さらに、再生可能エネルギー普及と技術発展や産業展開との関連について、風力発電を中心に、国内調査に基づいて考察を進めた(山口歩)。
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