2004 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病にかかわる環境化学物質に対する新しい細胞障害評価システム
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15310033
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石井 哲郎 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20111370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 嘉人 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00250100)
柳川 徹 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (10312852)
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Keywords | ヒ素 / キノン / A170 / Nrf2 / Cu,Zn-SOD |
Research Abstract |
1.茨城県神栖町における地下水の有機ヒ素汚染事故についての臨床医学的な調査報告を行った。主要成分のジフェニルアルシン酸は化学兵器として旧日本軍が開発した物質が分解して出来た物と予想された。小脳に機能障害があることが確認された。 2.パーキンソン病のLewy小体は分解されない蛋白質により形成されるが、この形成過程を培養細胞モデルで解析した。ヒト神経由来細胞PC12を蛋白質分解阻害剤MG132で処理すると、細胞内に蛋白質の会合体が蓄積する。この蛋白質の会合体の形成にA170ストレスタンパク質が関与していることを明らかにした。 3.転写因子Nrf2欠損マウスの歯が白くなる仕組みを明らかにした。上顎部にある鉄を分泌する上皮細胞が同マウスでは発達に伴い死んでしまうために鉄の分泌は起こりにくくなるためと推測した。 4.ディーゼル排出微粒子に含まれるキノンのなかでフェナントラキノンがヒドロキシラジカルを産生することを証明し、細胞死を誘導することを示したが、同時にその毒性を防御する方法として幾つかの鉄キレータが有効であることを見出した。Cu,Zn-SODの発現低下がフェナントラキノンの毒性を高めていることを示した。 5.ヒ素による細胞死の過程でPKCデルタが大切な役割を果たしていることを示した。
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