2004 Fiscal Year Annual Research Report
緑藻のストレス応答遺伝子の導入による砂漠緑化・食糧増産に貢献できる耐性植物の作出
Project/Area Number |
15310054
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平田 收正 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (30199062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 均 関西電力株式会社, 総合技術研究所, チーフリサーチャー
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Keywords | 緑藻 / ストレス応答反応 / フィトケラチン / アブシジン酸 / 重金属 / 活性酸素 / ストレス耐性植物 / 抗酸化酵素 |
Research Abstract |
地球温暖化や乱開発による環境破壊や、世界人口の加速度的増加による食糧危機を解決するためには、熱帯雨林などにおける植生の回復と農業生産拡大が必須である。そこで本研究では、多様な環境条件に適応して進化した水生藻類の優れた環境ストレス応答機能に着目し、これを高等植物に導入することにより、実用にたえる強力なストレス耐性を持つ植物の作出を目指すものである。 本年度の研究実績の概要を以下に示す。 (1)重金属抱合ペプチド、フィトケラチン(PC)の生合成調節機構について昨年度に引き続き検討を行い、Nostoc sp.PCC7120を始めとする数株のラン藻や細菌にもPC合成酵素をコードする遺伝子が存在することを明らかにした。これは、これまで真核生物にしか存在しないと考えられていたPC合成酵素遺伝子が、原核生物においても存在することを証明した初めての成果であり、PCが担う重金属ストレス緩和反応の機能進化を考察する上で、非常に有用な情報となる。 (2)高等植物のストレスホルモンであり、環境ストレスに対する種々の応答反応を誘導することが知られているアブシジン酸(ABA)について、Chlamydomonas reinhardtiiを材料として、緑藻における機能を解析した。その結果、ABAはC.reinhardtiiにおいて酸化ストレスの緩和反応を誘導するシグナル物質として機能し、またその生合成も活性酸素負荷など酸化ストレスによって特異的に誘導されることを明らかにした。さらに、光合成せいぶつにおけるABAのストレス応答反応に関わるシグナル物質としての機能進化について考察するために、ラン藻、緑藻および高等植物におけるABA生合成系酵素遺伝子の比較解析に着手した。
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Research Products
(3 results)