2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波放電及び光プロセスを用いた排ガス処理装置の開発
Project/Area Number |
15310059
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
辻 正治 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (30038608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 謙治 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (70229128)
辻 剛志 九州大学, 先導物質化学研究所, 助手 (50284568)
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Keywords | 大気汚染防止・浄化 / 環境技術 / 公害防止・対策 / マイクロ波プラズマ / レーザー / 光プロセス |
Research Abstract |
地球の大気環境浄化に関する研究は21世紀の人類に課せられた重要な研究課題である。本研究ではマイクロ波放電と光プロセスを用いた大気汚染物質除害装置を開発する計画であった。本年度は大気圧窒素・空気中でのArFエキシマーレーザーによるN_2O,NO_2の光分解プロセスの研究開発を行った。その結果、高価な触媒を用いることなく、N_2Oを大気圧窒素・空気中で無害なN_2とO_2に高効率、高分解処理が可能なことがわかった。また実用に有利な低濃度(1%以下)のN_2Oの光分解を行った。その結果、193nm光照射15分でほぼ完全にN_2Oを分解することができ、放電法とは異なり、空気中でも有害なNOは全く生成しないことがわかった。本研究により、実際に排出されるppmレベルの低濃度N_2Oの光分解処理に対して193nm光を用いた光プロセスがより有効なことが示唆された。 また大気圧でのArFエキシマーレーザーによるNO_2の分解プロセスはNO_2濃度に依存することが判明した。窒素中ではNO_2濃度を200-3000ppmまで低くすることで、有害なNOの生成を抑制し、無害なN_2,O_2まで分解可能なことを見出した。またNO_2濃度100ppmの空気中では、O_3の生成も確認された。そのO_3の酸化力を用いて、NO_2をNO_3を経てN_2O_5へと転換可能であることが判明した。水に不溶なNO_2とは異なり、N_2O_5は水に溶けて硝酸として処理可能なために、193nm光を用いた本手法は、新たな選択的NO_2除去法として期待できることがわかった。 本研究により光プロセスによるNOxの浄化に関する基礎データが得られ、実用化に不可欠な知見を得ることができた。
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Research Products
(3 results)