2004 Fiscal Year Annual Research Report
自律型分子計算機のためのヘアピンDNA分子デバイスに関する研究
Project/Area Number |
15310084
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
陶山 明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90163063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 光則 早稲田大学, 理工学部, 専任講師 (40313168)
ローズ ジョン 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特任講師 (00345125)
萩谷 昌己 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (30156252)
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Keywords | DNAコンピュータ / 分子コンピュータ / ナノデバイス / ナノテクノロジー / 並列計算 |
Research Abstract |
DNA-based computing (DNAC)を実現するためのDNAナノ・デバイスのひとつとしてヘアピンDNA分子がある。ヘアピンDNA分子がヘアピンループを形成する反応は分子内反応であるため、並列性の高いDNACにおいて、計算デバイス分子の濃度が極めて低くなっても高い計算速度を維持することが原理的に可能である。このような特徴を有するヘアピンDNA分子を計算デバイスとして用いたDNACを設計するために、本年度も昨年度に引き続き、ヘアピンDNA分子の静的特性と動的特性を明らかにする研究を押し進めた。その結果、ヘアピンループを形成する速度がループの大きさだけでなく、二本鎖のステム部分を構成する正規直交配列にも大きく依存することがわかった。そこで、ストップトフロー装置を用いて、正規直交配列をもつ相補鎖同士のアニーリング速度の鎖濃度、塩基配列、温度依存性を調べた。見かけ上のアニーリング速度は二分子反応モデルに従う濃度依存性を示したが、正規直交配列の種類によりその値は大きく異なり、それが同一サイズのループをもつヘアピンDNA分子のヘアピン形成反応速度のステム部分の配列依存性の原因となっていることがわかった。見かけ上のアニーリング速度の正規直交配列依存性の原因は究明中である。また、ヘアピンDNA分子の静的および動的特性を利用して分子メモリを構築する反応を開発し、FRETによる蛍光検出を利用した実験により、特異性の高い分子アドレッシングによる書込みと消去を50回以上繰り返して行えることを示した。
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Research Products
(9 results)