2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15310086
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
草部 浩一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (10262164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 直 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40029559)
常行 真司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (90197749)
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Keywords | グラファイト / ナノグラファイト / 分子磁性 / 平坦バンド / ナノチューブ / ナノ炭素構造 / ハバード模型 / フェリ磁性 |
Research Abstract |
(1)磁気的ナノチューブの安定性と磁性の検討 局所スピン密度近似による計算では、一水素付加、二水素付加されたジグザグ端を組み合わせて磁気的ナノチューブを作った場合に、(6,0)-tube,(7,0)-tubeではオフチニコフ則には従わないが、ほぼ縮退したエッジ状態のスピン偏極による短い磁気モーメント発生が一般に生じる結果になることを見出した。水素付加がされていないジグザグ端をもつ磁気的ナノチューブの安定性は水素付加がされたものに比較して低いことが分かった。 (2)フッ素終端型磁気的ナノチューブの電子状態計算 フッ素付加したジグザグ端では、平面状ナノグラファイトと異なり、有限半径・有限長のナノチューブでは磁気モーメント発生が少なくとも(6,0)-tube,(7,0)-tubeでは見出されないことが分かった。 (3)グラファイト-ダイヤモンドハイブリッド系における磁気的性質の予言 グラファイト-ダイヤモンドハイブリッド構造ではオフチニコフ則に従うスピンモーメント発生と、ハーフセミコンダクティングなバンド構造の出現がある。ダイヤモンド側にドープすることで、磁気偏極したナノワイヤーをダイヤモンド(100)表面上に形成できることを理論予測した。 (4)ナノチューブ接合系における磁気抵抗効果の評価 磁化ナノチューブ/量子ドット/磁化ナノチューブ接合系における磁気抵抗効果の理論評価を非平衡グリーン関数法に切断近似を採用した範囲内で行い、チューブの状態密度を反映した特異な磁気抵抗効果を見出した。 (5)強相関効果を取り込んだナノ炭素磁性体設計算手法の開発 磁気相関の発達した炭素系に適用する密度行列汎関数法の新しい定式化を行った。トランスコリレーティッド計算を混合型数値基底展開法により実現するための3体積分評価法を定式化した。
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Research Products
(6 results)