2005 Fiscal Year Annual Research Report
ER流体のマイクロギャップにおける流動特性とその触覚ディスプレイへの応用
Project/Area Number |
15310099
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中野 政身 山形大学, 工学部, 教授 (40147947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 浩一 山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70124625)
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Keywords | ER流体 / せん断流れモード / マイクロギャップ流れ / ナノ粒子ER流体 / 流動パターン / マイクロアクチュエータ / 点字表示システム / 押上力 |
Research Abstract |
本年度は、ER流体マイクロシステムの設計の基本となる平行2円盤電極が中心軸周りに相対回転運動する微小間隙のせん断流れモードにおいて、二種のマイクロ粒子分散ER流体(TX-ER6,FKER-V5)と一種のナノ粒子ER流体(MT-150A)を対象に、DC電場下の誘起せん断応力の定常特性について流動特性の可視化観察によって検討している。TX-ER6では、時間経過に伴い、まず分散粒子は多層の細い円環状流動パターンと円盤外周部に幅の広い円環状パターンを形成し、その後外周部に集まった粒子が中央に向かって移動するとともに一部に相分離や粒子凝集塊が表れ誘起せん断応力は定常レベルを保ちながら若干変動し始めることを指摘している。これらの流動パターンの変化は、誘起せん断応力の大きな過渡的な変動をもたらす原因ともなっている。一方、FKER-V5では、粒子が電荷をもつことから負の電極側に移動するため流動パターンの変化はなく、誘起せん断応力は電場印加後にステップ状に上昇しほぼ一定値を保ち安定することを見出している。また、MT-150Aでは、電場強度E=4kV/mmで2kPa程度の降伏せん断応力が発生し、ナノ粒子ER流体もマイクロシステムに十分使用できることが分かった。 さらに、分散系ER流体を作動流体とするマイクロアクチュエータを用いた点字表示システムの構築及び性能評価を目的に、作動流体としてマイクロ粒子ER流体TX-ER6を用い1つの凸ピンを駆動するベローズ型マイクロアクチュエータをフォトリソグラフィ法によって製作し、その性能を評価している。ベローズへのER流体の流量を制御するERバルブは高×幅×長=0.3×2×15mmであり、供給圧力が550kPa以上で凸ピンのストローク0.5mmと十分な押上力(0.15N)が確保できることを実験的に示し、2つのERバルブをON-OFF制御することによって凸ピンの駆動を実現している。
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Research Products
(10 results)