2004 Fiscal Year Annual Research Report
統合的分子シミュレーションによる新規ナノ光機能材料の提案
Project/Area Number |
15310105
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
関野 秀男 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40335104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 典之 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (40283501)
墨 智成 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40345955)
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Keywords | 光機能材料 / デンドリマー / ペア相互作用近似(FMO) / CPHF / CPDFT / DFT / 過剰電子非局在化 |
Research Abstract |
デンドリマー分子の構造は柔軟性に富み多くのコンフォーマーが考えられるが、その多様性にかかわらずその物性の世代発展の定常性が期待される。特に本研究の焦点である光物性は些細なコンフォメーションの違いによらず世代発展を反映している。具体的にはいくつかの世代のデンドリマーの分極率および超分極率の算定を第一原理法によって行った。4世代を超えるアゾデンドリマーにおける電子状態の第一原理的算定はないが、デンドリマー分子のデイメンションの大きさ故である。我々はペア相互作用近似(FMO)によるab-initio法への有効近似が全エネルギーのみならず、こうした光物性算定にも有効であることを示した。本方法論によれば数千から万原子分子の分子の電子状態を量子論的に扱うことができるが、我々は同様の近似をCoupled Perturbed Hartree Fock(CPHF)に応用実装を行った。そのプログラムを幾世代かのデンドリマー分子に適用することにより分極率の世代依存性を調べたが、シンプルな加算性がみいだされた。さらに精度の高い計算Coupled Perturbed Density Functional Theory(CPDFT)によるcorrelationの考慮が必要であるが、巨大系では中距離以上の相互作用が重要で従来のDFTでは十分でない。PW型のファンクショナルを改良することによってDNA-stackingをうまく表現できる方法を開発した。またエネルギーの溶媒への散逸の見積もりとして単純な高分子ビーズモデルとDFT法を組み合わせ、量子、古典溶質の溶媒へのエネルギー散逸を統一的且つ第一原理的にあつかえる理論を構築、過剰電子の非局在化や高分子の異常膨張のメカニズム解析へ応用した。
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Research Products
(13 results)