2005 Fiscal Year Annual Research Report
不活性ガスを含む水性泡消火法の立体火源への応用に関する研究
Project/Area Number |
15310109
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
伊藤 昭彦 弘前大学, 理工学部, 教授 (30127972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 祐嗣 弘前大学, 理工学部, 助手 (80333714)
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Keywords | 火災 / 消火 / 立体火源 / 水性泡 / 不活性ガス / 消炎時間 / 消炎濃度 |
Research Abstract |
火源規模による立体火源の燃焼特性の変化を定量的に検討するために,複数火源相互の伝熱機構についてモデル化を行い検討した.放射伝熱によるモデルでは,実験で見られた上部火源の燃焼促進を十分に評価することはできなかった.よって,放射に加え対流による上部火源への熱供給を加えたモデルに修正したところ,実験に近い計算結果が得られた.このモデルをもとに火源規模を変化させて計算を行い,立体火源による燃焼促進効果の火源規模による変化を明らかにした.以上の検討の結果,立体火源においては上部火源がより燃焼率が高くなることから,消火泡を効果的に上部火源へと供給することが効果的な消火に不可欠であることがわかった.不活性ガスを含む水性泡消火法を立体火源に適用するに当たり,特に上部火源への消火泡の効果的な供給を考慮すれば,液流量を増して流動性を持たせ,泡径を小さくして泡強度を高めた消火泡とする必要がある.泡径を変化させて消火実験を行うため,サクション型二流体ノズルを用いた発泡器を試作した.本ノズルに供給する液流量・ガス流量.ノズルチップ穴径を変化させることにより,泡径を変化させることができた.本試作ノズルを用いて泡径を1〜10mmまで変化させて消火実験を行ったところ,泡径1mmで最も高い消火性能を示した.この高い消火性能は1)泡径が小さいため泡強度が高く,火炎基部により近い位置で泡が崩壊し消火ガスを放出したこと,2)泡の流動性が高く,すばやく火炎基部に到達したこと,の2点が要因であると考えられる.また,泡径の小さい発泡条件では液流量が大きく流動性の高い泡となり,ノズルから噴出させ遠方へ輸送することが可能であった.しかし,泡径の小さい発泡条件では周囲空気の巻き込み量が多く不活性ガスによる消火性能の向上が小さかったことから,さらに消火効果を増すためにはノズルの改良により周囲空気の巻き込み量を減らす必要がある.
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