Research Abstract |
体験型学習,避難訓練などの情報化及び防災活動が,住民(特に若者)にどのようにして認知され,それが知識化し,どの位の期間まで記憶化されるのかを調査した.調査対象は,仙台市科学館体験型学習(対象は中学2年生)とし,「揺れる大地」-地震と災害-という40名程度の生徒を被験者とする学習実験において,学習前後(特に学習後は,直後,1週問後,半年後)にアンケートを実施し,得られた知識の内容,意識の変化,その記憶の継続期間などを調べた.ここでは,地震の発生メカニズム,液状化,津波の伝幡水理実験など,ユニークな実験装置を開発し,学生自身が装置を操作し,結果を得るされよう工夫している,体験型学習である.その結果,地震,津波などの現象に関する知識に対する理解度は高く,他の実験受講学生と有意な違いが見られた.ただし,防災対応や行動に関しては,差が無く,教育内容に工夫の余地があることがわかった. 次に,現状でのハザードマップ利用調査を実施し,有効性と課題を整理した.摘出された課題解決のために,住民主体・参加のハザードマップづくりを企画し,その作業課程における災害への理解,知識化,ハザードマップの認識の課程を調べた.ワークショップ実践型ハザードマップづくりのマニュアル化を計った.住民,自治体担当者,学生,専門家などの混在した班を形成し,プログラムに沿って地域防災マップを作成する活動を行った.各班の結果は,最後に発表会・報告会を設けることで,参加者全員で共有化し,それを記録に残した.以上の活動により,防災活動の重要性の認識,地域での活動の整理さらには実践も行われ,非常に有効であることが示された.ただし,基本知識については,時間の制約もあり紹介が限られていたため,課題が残った.
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