2003 Fiscal Year Annual Research Report
混雑時における歩行者行動モデルと歩行シミュレーションの研究
Project/Area Number |
15310116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 幸雄 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (70016153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 孝子 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (80272053)
大佛 俊泰 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (00211136)
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Keywords | 歩行シュミレーション / 歩行モデル / 混雑現象 |
Research Abstract |
本研究は、高密度で混雑した状況における歩行者の行動をモデル化し、それをシミュレーションで再現できるようにすることを目的とする。本年度は3年計画の初年度である。本年度は、3人の研究者がそれぞれ従来から行ってきた研究をまとめ、共通の目的へスタートを切る体制を整えた。 大佛とそのグループは、従来から研究を行ってきた心理的ストレス(他者ストレスと目的地ストレス)をベースとする歩行モデルをまとめ(研究発表1)、個人をベースにしたモデル化によっても、群衆流動の特徴である歩行集団の形成が表現できることを確認した。 山田とそのグループは、移動体通信システムの性能評価を行うための比較的簡易な歩行モデルを構築し、駅を中心とした数キロメートル四方の領域における移動体通信の呼損率等を求めるためのシミュレーションプログラムを開発した(研究発表2,3)。 高橋とそのグループは、混雑した電車における乗客の乗降行動のモデル化(研究発表4)と高密度下における歩行モデルの改良(研究発表5)を行った。第一の研究では、ポテンシャルをベースにして乗客の乗降行動をモデル化し、駅での乗降に必要な停車時間を予測した。実測実験の結果と比較したところ、特に混雑している場合の乗車行動(いわゆる尻押しなど)と降車後ホームでの混雑状況をうまく加味すれば、実際に必要な乗降時間を比較的よく表現できることがわかった。第二の研究では、情報空間内の他の歩行者に対する衝突領域をベースとする歩行モデルに対して、アイコンタクトによる優先権と相手の歩行速度ベクトルのより適切な予測方法を取り入れることにより、歩行者密度が2人/m^2程度まで表現可能となることを確認した。
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[Publications] 大仏俊泰, 佐藤航: "心理的ストレス概念に基づく歩行行動のモデル化"日本建築学会計画系論文集. 573. 41-48 (2003)
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[Publications] 武内陽子, 高橋幸雄, 富井規雄: "シミュレーションと実測実験における電車への乗降時間の比較"日本オペレーションズ・リサーチ学会2003年秋季研究発表会,アブストラクト集. 230-231 (2003)
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[Publications] 金子雅志, 山田孝子, 加藤憲一: "移動体通信における性能評価のための都市空間を考慮した歩行モデルの構築"待ち行列シンポジウム「確率モデルとその応用」報文集. 218-227 (2004)
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[Publications] 金子雅志, 山田孝子, 加藤憲一: "移動体通信における性能評価のための都市空間を考慮した歩行モデルの構築"日本オペレーションズ・リサーチ学会2004年春期研究発表会,アブストラクト集. 84-85 (2004)
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[Publications] 岡田公孝, 高橋幸雄: "個人行動をベースにした歩行モデルと高密度シミュレーション"日本オペレーションズ・リサーチ学会2004年春期研究発表会,アブストラクト集. 144-145 (2004)