2005 Fiscal Year Annual Research Report
白山における甚の助谷巨大地すべり突発災害の前兆現象および運動予測
Project/Area Number |
15310127
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
汪 発武 京都大学, 防災研究所, 助手 (10324097)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 樹典 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (10143877)
宮島 昌克 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70143881)
枡谷 浩 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (20157217)
王 功輝 京都大学, 防災研究所, 助手 (50372553)
佐々 恭二 京都大学, 防災研究所, 教授 (30086061)
|
Keywords | 地すべり / 斜面崩壊 / 地下水 / 発生機構 / 運動機構 / 現地調査 / リングせん断試験 / 粒子破砕 |
Research Abstract |
甚之助谷地すべりは石川県と岐阜県の境界に位置している巨大地すべりである。降雨融雪期における活発な斜面変動が手取川流域に重大な災害をもたらす危険性が懸念されている。平成16年5月に、連続3日間の集中降雨によって、地すべり-土石流が発生し、人的被害がないものの、下流の工事用道路と観光用吊橋を破壊させた。今後の防災対策に資するため、平成17年度では、この地すべり-土石流に対して、詳細な現地調査、リングせん断試験機を用いた地すべりの発生機構、土石流の運動機構、別当谷の渓床堆積物の粒子破砕特性について研究を実施した。 結果として、(1)別当谷の渓流堆積物は、上流から下流にかけて粒子破砕し易さが減少する傾向が見られ、これは渓床堆積物の非排水挙動に影響を及ぼした;(2)発生域の調査からは、集中的に流出していた地下水は斜面崩壊を誘起し、さらにその後の流動化にも影響を及ぼした;(3)リングせん断試験機を用いた地下水の上昇による斜面崩壊の再現試験では、源頭部土試料は自然排水状態でも、せん断抵抗の急激な低下が見られ、地すべり発生後の高速運動の原因となっていることが認識される;(4)源頭部の崩壊土砂が渓床堆積物に衝撃載荷によって、ほぼ液状化している試験結果から、地すべり土塊が別当谷の中に滑り込んだ直後、土石流を誘起したことと推定される;(5)液状化して土石流になった崩壊土砂が別当谷の中に運動している時に、渓床堆積物に衝撃を与えながら、進行している流下過程の再現試験は、土石流進行中の斜面勾配の変化(緩くなること)によって、流動過程における見かけの摩擦係数の増大傾向が見られた;(6)土石流運動の最終段階の再現試験では、せん断中に発揮している見かけの摩擦角度は斜面勾配とほぼ等しくなり、土石流の停止過程を示唆した。また、渓床堆積物に実施した残留せん断強度は減少傾向が見られ、粒度分級の変化によるものと認められる。 また、平成17年度では、イタリアのストロムボリ火山地すべり、及び中国三峡貯水池地域の地すべりに対する調査研究も実施した。
|
Research Products
(8 results)
-
-
-
-
-
[Journal Article] Displacement monitoring and physical exploration on the Shuping Landslide reactivated by impoundment of the Three Gorge Reservoir, China2005
Author(s)
Wang, F.W., G.Wang, K.Sassa, A.Takeuchi, K.Araiba, Y.Zhang, X.Peng
-
Journal Title
Landslides - Risk Analysis and Sustainable Disaster management (Sassa K, Fukuoka H, Wang F.W., Wang G., ed.) 1
Pages: 313-319
-
-
-