2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15310129
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
釜井 俊孝 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10277379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 秀雄 京都大学, 防災研究所, 教授 (20027296)
松波 孝治 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70027291)
太田 英将 (有)太田ジオリサーチ, 代表取締役(首席研究員)
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Keywords | 斜面災害 / 谷埋め盛土 / 都市域 / 災害予測 / メカニズム / ハザードマップ / 地すべり / 宅地 |
Research Abstract |
新潟県中越地震では、長岡市を中心とした都市域においても、丘陵地と低地の境界部に建設された造成地(ニュータウン)において、低平地特有の斜面変動が発生した。斜面変動は、主に人工斜面で発生し、長岡市郊外の東側で顕著であった。まとまった被害としては、高町団地、悠久山周辺、乙吉町鶴ヶ丘団地における宅地地盤の変動である。いずれも以前から良く知られた災害の形態であり、今回もそれが繰り返された。その意味では、過去の地震の教訓はあまり生かされていなかったと言える。今回の被害は山地で発生した自然斜面の崩壊に比べて数少なく小規模であるが、典型的な都市型の斜面災害として、詳細に検討する価値を有している。高精度表面波探査により、高町団地及び乙吉町鶴ヶ岡団地のS波速度構造を検討したところ、顕著な被害は主に浅い谷埋め盛土の部分で発生していることが判明した。高町団地において実施した余震観測の結果では、周縁部の盛土上での加速度は中央部の切土地盤に比べて約1.8倍、速度は約1.3倍に増幅されている。余震と本震の卓越周波数の違いを考慮すると、崩壊箇所(最大盛土厚約8m)の加速度は1Gを越えていたと考えられる。FLUSHによる等価線形解析の結果、入力動に対する加速度及び速度の増幅比は浅い盛土ほど大きくなり、最大盛土層厚が10mを越えると増幅はほとんど見られない。これは、短周期成分が卓越する今回の様な地震では、相対的に浅い宅地盛土に厳しい揺れが作用し、長周期成分を含むような地震ではより深い大規模な宅地盛土地盤で被害が発生することを示唆する結果である。すなわち、宅地地盤の被害予測においては、極表層部の震動特性の把握が重要であることが判明した。
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Research Products
(4 results)