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2005 Fiscal Year Annual Research Report

ガウジの分極特性の解明と野外観測への展開

Research Project

Project/Area Number 15310132
Research InstitutionOsaka City University

Principal Investigator

中川 康一  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80047282)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 相川 信之  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20047327)
早川 正士  電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80023688)
嶋本 利彦  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20112170)
竹内 章  富山大学, 理学部, 教授 (20126494)
千木良 雅弘  京都大学, 防災研究所, 教授 (00293960)
Keywordsガウジ / 断層破壊 / 地すべり / せん断分極(SIP) / 岩石物性 / 破壊予知 / 地震予知
Research Abstract

この研究では,種々の母岩からなるガウジについて,大量の試料採取,鉱物組成解析,粒度分析,三軸圧縮試験ならびに電気的特性の把握などを行った.これまでに得られた重要な知見は,ガウジ中の石英に明らかに大きな塑性ひずみが検出され,断層直近の母岩(花高岩)中の石英より有意に大きいことと,同様のイライト鉱物の組成ひずみが熱水起源のイライトに比べて有意に大きいことから,ガウジは地表付近の低拘束圧に由来する小さな強度域で生成されたものではなく,震源域付近で生成されたと結論された.さらに重要な知見として,ガウジには,せん断変形時に電気的分極(SIP : Shear-Induced Polarization)が発現するという特性があることを,この研究によって初めて明らかにした.採取した試料を一辺が数センチの直方体に成形し,単純せん断変形を加えると,変形量に応じた電圧が生じることが明らかとなった.このような現象は純粋な粘土鉱物からなる粘土ではもちろん,堆積性の粘土など,種々の湿潤粘土片では明瞭に観察されるが,一般の工作用の粘土(油粘土)では全く観察されないことから,SIPの発生条件として,粘土粒子間にある間隙流体が水のような双極性液体でなければならないことが明白になった.さらに,圧密実験によって,供試体の2次圧密過程が分極の発現を大きく促進させていることから,SIP形成機構が粒子-水-電解質系における物理化学的な平衡化と深く関わっていることが明確になった.柳ケ瀬断層のガウジ試料の場合,ひずみの状態に応じて,100mv以上の電位差が現れていることが分かった.一方,野外への適用例として,高知県の怒田・八畝地すべり地区で観測された地すべりブロック境界での自然電位分布の経時変化では,地すべりの両ブロックの電位差が50mv程度であったものが4ヶ月後には200mv程度以上になった.現在,跡津川断層帯のSIPと自然電位の関係を調べている.

  • Research Products

    (7 results)

All 2006 2005

All Journal Article (6 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 地下水の有効利用-その2.アスファルト舗装面への散水による気温低下の実験2006

    • Author(s)
      吉岡真弓
    • Journal Title

      環境地質学シンポジウム,地質汚染-医療地質-社会地質学会 第15回

      Pages: 221-226

  • [Journal Article] Validity of revised questionnaire seismic intensity method for the 2003 Tokachi-oki earthquake,2005

    • Author(s)
      Fukuzumi, T.
    • Journal Title

      Jour.Geosci.,Osaka City University 48

      Pages: 159-163

  • [Journal Article] 大阪堆積盆地(大阪湾岸域〜大阪平野部)の堆積環境と表層構造2005

    • Author(s)
      北田直子
    • Journal Title

      地盤工学会誌 53(6)

      Pages: 7-9

  • [Journal Article] 都市の地震防災からみた地下水問題2005

    • Author(s)
      中川康一
    • Journal Title

      NORD RESEARCH REPORT 6

      Pages: 32-43

  • [Journal Article] 地下水の有効利用-その3.屋上散水による室内温度低下の実験-2005

    • Author(s)
      中川康一
    • Journal Title

      環境地質学シンポジウム,地質汚染-医療地質-社会地質学会 第15回

      Pages: 227-23

  • [Journal Article] 都市域の地震動被害を低減させるための地下水位制御2005

    • Author(s)
      中迎 誠
    • Journal Title

      環境地質学シンポジウム,地質汚染-医療地質-社会地質学会 第15回

      Pages: 245-250

  • [Book] 日本の地質 増補版2005

    • Author(s)
      日本の地質増補版編集委員会(編)
    • Total Pages
      374
    • Publisher
      共立出版

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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