2003 Fiscal Year Annual Research Report
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15310134
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀本 勝久 東京大学, 医科学研究所, 科学技術振興特任教員(常勤形態) (40238803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福地 佐斗志 国立遺伝学研究所, 助手 (70360336)
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Keywords | ゲノム比較 / 遺伝子配置 / 空間統計 / ゲノム重複 / 統計解析 / クロモゾーム構造 |
Research Abstract |
本研究の目的は、関連遺伝子のコードされる位置の情報に基づいて、ゲノムの全構造を巨視的に比較する方法を確立し、その適用によってゲノム構造変化のメカニズムの解明を試みることである。本年度の具体的な目標として、以下の課題を挙げた。 1.近年開発した環状ゲノム間の関連遺伝子の配置に基づく比較法を、類似度の数理統計及び計算速度や利用汎用性などに関するアルゴリズムの面で確立する。 2.46の細菌ゲノムについて、orthologous遺伝子の配置に関して、配置類似性の統計的有意性の検定及び類似な配置を示す遺伝子群の機能的な分類を行う。 3.13の細菌ゲノムについて、paralogous遺伝子群の配置に基づき、ゲノム全体の重複の可能性について調べる。 4.同一真核生物種のもつ複数の線形クロモゾーム間の相異を、遺伝子配置の観点から数量化する方法の改良を行い、定性的に示唆されている酵母ゲノムの重複について適用し、遺伝子配置の観点から重複したクロモゾーム・ペアを具体的に解明する。 5.異なる真核生物間の複数の線形クロモゾーム比較については、順位統計など標準的な統計解析法によって、線形クロモゾーム間の局所遺伝子構造の類似性を予備的に調査した後、クロモゾームの全構造を遺伝子配置に基づいて比較する方法を開発する。 6.上記1.4.5.で開発した比較法を一般に公開するため、解析ソフトウェアの利用環境の整備を行う。 上記1については、最大類似度を極値分布に基づいて検定する方法を導入した。2については、ゲノムデータの急速な増加を考慮して、より網羅的な解析を行うためのデータ整備の段階である。3については、特に光合成細菌に着目しゲノム重複の可能性について調べた。4について、解析は終了し成果公表の準備段階である。5については、解析法の実装が終了し、データ整備をしている。6について、UNIX上の実装をweb上に移植中である。成果発表の遅れはあるが、総じて着実に目標を達成していると考えている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sugaya, N: "Gene-Distribution Patterns on Cyanobacterial Genomes"Genome Informatics. 14. 561-562 (2003)
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[Publications] Sugaya, N: "Assessment of the Large Genome Size in Cyanobacterium, Anabaena sp. PCC7120"Res.Commun.Biochem.Cell Mol.Biol.. (印刷中).
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[Publications] Sugaya, N: "Genome-Size Increase in Anabaena sp. PCC7120"Proceedings of 8^<th> World Conference on Systematics, Cybernetics and Informatics. (印刷中).