2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15310157
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Research Institution | NATIONAL INSTITUTE OF ADVANCED INDUSTRIAL SCIENCE AND TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
小松 康雄 独立行政法人産業技術総合研究所, ゲノムファクトリー研究部門, 主任研究員 (30271670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 直 独立行政法人産業技術総合研究所, ゲノムファクトリー研究部門, 研究員 (30356985)
上出 利光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所・分子免疫部門, 教授 (00160185)
今 重之 北海道大学, 遺伝子病制御研究所・分子免疫部門, 助手 (90344499)
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Keywords | オステオポンチン / OPN / 転移 / Concanavalin A / siRNA / 肝炎 |
Research Abstract |
オステオポンチン(OPN)は、細胞外マトリックスとしての細胞接着や細胞遊走能のみならず、T細胞活性化やTh1/Th2 polarization制御等のサイトカイン様機能をも有し、欠損マウスや中和抗体を用いた解析から、OPN機能抑制により癌転移およびリウマチや多発性硬化症等の慢性炎症性疾患に対する治療効果を得られることが示されている。近年、新規分子特異的ノックダウン法としてRNAi法が注目されてきている。そこで、OPN siRNAを用いてのOPNノックダウンによる疾患治療効果を検討した。OPN siRNAはそれぞれ数種合成し、RNAi効果はOPN発現細胞株を用いて検討した。疾患モデルは癌転移と肝炎モデルを採用した。癌転移モデルは、マトリゲルチャンバーを用いた癌転移in vitro assayにて行い、siRNA導入癌細胞にて浸潤能の低下を確認することができた。肝炎モデルは、Concanavalin A(ConA)の静脈内投与により作製するConA肝炎モデルを使用し、OPN siRNAをConA投与の24時間前、16時間前、同時の計3回静脈内投与による治療効果を検討した。肝炎悪性度は血清中ALT値、組織学的検討により評価を行った。その結果、OPN発現抑制と肝炎治療効果の相関を認めることができた。本研究から、OPN siRNAの遺伝子治療薬としての可能性を示すことができた。 さらにsiRNA処理、未処理の細胞からそれぞれRNAを抽出し、遺伝子発現プロファイルをDNAチップによって調べた。その結果、幾つかの遺伝子のmRNA量が変動していることが確認できた。今後、より詳細な解析を行っていく予定である。
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Research Products
(11 results)