2003 Fiscal Year Annual Research Report

生命ケアの比較文化論的研究とその成果に基づく情報の集積と発信

Research Project

Project/Area Number	15320002
Research Category	Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
Research Institution	Shizuoka University
Principal Investigator	松田純 (山崎純) 静岡大学, 人文学部, 教授 (30125679)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	上利博規静岡大学, 人文学部, 教授 (20222523) 浜渦辰二静岡大学, 人文学部, 教授 (70218527) 山下秀智静岡大学, 人文学部, 教授 (70109122) 森下直貴浜松医科大学, 医学部, 教授 (70200409) 田中伸司静岡大学, 人文学部, 助教授 (50207099)
Keywords	生命ケア / ケアの比較文化論 / 生命教育 / 文化横断的アプローチ / 臨床学的アプローチ / 生命環境倫理学 / 宗教 / 芸術
Research Abstract	1 日本の文化風土に合ったケア文化の再構築をめざして。介護老人保健施設やホスピス病棟、ホームレスのためのホスピス、地域ケア活動などを見学し、ケアの現状を調査した。沼野尚美氏と高橋卓志氏を講師に、ターミナル・ケアに焦点を当てた講演会を二度開催し、医療職や市民とともに終末期ケアのあり方を考えた。ノーマライゼーション先進国デンマークで福祉の第一線で活躍し現在は日本の福祉についてのアドバイザーも務めるレネ・ホレンナー氏を講師に招き「高齢者と家族にとってよく生きること」をテーマに講演・シンポジウムを開催した。これらの活動を通じて、制度面では、施設におけるケアがもつ限界が自覚されながらもそれを在宅ケアにどう接続するかが現在の大きな課題であることが浮かび上がってきた。施設と在宅とを統合した全体的なケア・システムを構築する必要があり、その際「コミュニティ・ケア」が一つの鍵となろう。地域共同体が担い手となるケアでは、現代的なケア・システムが機能するだけではなく、伝統的な生命観や死生観が色濃く反映してくる。そのなかで、明治以降の近代化と伝統との軋轢が現在にもつながっている。ケアの質を高めQOLを高めるためには、ケア文化の深層からの解明と各領域のケアを「生命ケア」という新たな概念のもとでとらえ直す作業が必要である。今年度の調査(中国、インド、韓国)をふまえ、次年度にはヨーロッパにおけるケア文化と比較しながら、日本、アジアのケア文化の特徴を解明していく。研究活動の記録『ケアの人間学』No.1を発行した。 2 国際的な情報センターとしての役割を果たすため、まずホームページを立ち上げた。今後一層の充実を図る。 3 生命ケア教育プログラムの構築をめざして、大谷いずみさんから、高校における生命教育の現状等について説明して頂いた。今後現場教師と連携しながら、いま必要とされる生命教育にふさわしいプログラムを作成する。

Research Products
(29 results)

All Other

All Publications (29 results)

[Publications] 松田純: "ドイツにおけるヒト胚政策をめぐる議論"生命倫理政策とヒト胚-米英独仏(人体利用等にかんする生命倫理基本法)研究プロジェクト). 21-28 (2003)
[Publications] 松田純: "Enhancement(増進的介入)と「人間の弱さ」の価値"独仏生命倫理研究資料集. 2. 13 (2004)
[Publications] 松田純: "前近代のヒューマン・ケアに学ぶ"ケアの人間学. 1. 17-18 (2004)
[Publications] 松田純訳: "ヒレ・ハカー「フェミニスト生命倫理学」(共訳)"独仏生命倫理研究資料集. 2. 17 (2004)
[Publications] 山下秀智: "西田最晩年の宗教観"立命館人間科学研究. 5. 85-96 (2003)
[Publications] 山下秀智: "願力自然の風光"自然概念の哲学的変遷. 世界思想社. 334-352 (2003)
[Publications] 山下秀智: "ケアの人間学-仏教の立場から"ケアの人間学. 1. 13-14 (2004)
[Publications] 浜渦辰二: "フッサールにおける現象学と存在論"立命館哲学. 15. (2004)
[Publications] 浜渦辰二: "末期がん患者の精神的ケアについて"ケアの人間学. 1. 3-4 (2004)
[Publications] 上利博規: "「絵画における真理」をめぐるデリダの言説"静岡大学人文学部人文論集. 54-2. 1-22 (2004)
[Publications] 上利博規: "静岡の芸能文化の歴史"2003年度地域連携研究報告書駿河・静岡の芸能文化. 静岡大学. 4-131 (2004)
[Publications] 上利博規: "芸術療法から鳥の歌へ-共感の後にくるもの"ケアの人間学. 1. 9-10 (2004)
[Publications] 田中伸司: "「こえによるふれあい」についての実験レポート--竹内敏晴『ことばが劈(ひら)かれるとき』の「話しかけのレッスン」をめぐって"ケアの人間学. 1. 25-26 (2004)
[Publications] 森下直貴ほか: "第1回医療倫理教育ワークショップ報告"医学教育. 34-3. 187-192 (2003)
[Publications] 森下直貴: "人間が「目的」であることの根拠"哲学と現代. 19. 53-69 (2003)
[Publications] 岩井淳: "ヒルとトレヴァ=ローパーの死--イギリス革命論への足跡"歴史学研究. 783. 19-27 (2003)
[Publications] 岩井淳: "「ブリテン帝国」の成立--16〜17世紀の帝国概念と古代ローマ"歴史学研究. 776. 19-30 (2003)
[Publications] 鈴木実佳: "「不幸な女」と「堕ちた女」:18世紀から19世紀の慈善と売春婦"腐敗と再生--身体医文化論(小菅隼人編、慶應大学出版会). 3. (2004)
[Publications] 原尻英樹: "ハワイのコリアン:李承晩から戦略的適応への過程"ハワイ研究への招待(後藤明・松原・塩谷編、関西学院大学出版会). 265-274 (2004)
[Publications] 森下直貴, 山崎(松田)純: "倫理力を鍛える(加藤尚武編)"小学館. 239 (2003)
[Publications] 森下直貴: "健康への欲望と<安らぎ>--ウェルビカミングの哲学"青木書店. 220 (2003)
[Publications] 森下直貴ほか: "バイオエシックスハンドブック--生命倫理を超えて(木村利人編集主幹)"法研. 462 (2003)
[Publications] 森下直貴ほか: "健康の本質(ノルデンフェルト著)"時空出版. 326 (2003)
[Publications] 森下直貴ほか: "新しい医学教育の流れ(高橋優三・鈴木康之編)"三恵社. 418 (2003)
[Publications] 高田純: "環境思想を問う"青木書店. 206 (2003)
[Publications] 原尻英樹: "日本のなかの世界--つくられるイメージと対話する個性"新幹社. 184 (2003)
[Publications] 浜渦辰二編: "フッサール研究第2号"科研費報告書. (2004)
[Publications] 浜渦辰二編: "ケアの人間学--合同研究会要旨集No.1"38 (2004)
[Publications] 浜渦辰二編: "PROCEEDINGS OF THE THIRD INTERNATIONAL MEETING FOR HUSSERL STUDIES IN JAPAN"144 (2003)

2003 Fiscal Year Annual Research Report

生命ケアの比較文化論的研究とその成果に基づく情報の集積と発信

Principal Investigator

松田 純 (山崎 純) 静岡大学, 人文学部, 教授 (30125679)

Research Products

[Publications] 松田 純: "ドイツにおけるヒト胚政策をめぐる議論"生命倫理政策とヒト胚-米英独仏(人体利用等にかんする生命倫理基本法)研究プロジェクト). 21-28 (2003)

[Publications] 松田 純: "Enhancement(増進的介入)と「人間の弱さ」の価値"独仏生命倫理研究資料集. 2. 13 (2004)

[Publications] 松田 純: "前近代のヒューマン・ケアに学ぶ"ケアの人間学. 1. 17-18 (2004)

[Publications] 松田 純 訳: "ヒレ・ハカー「フェミニスト生命倫理学」(共訳)"独仏生命倫理研究資料集. 2. 17 (2004)

[Publications] 山下 秀智: "西田最晩年の宗教観"立命館人間科学研究. 5. 85-96 (2003)

[Publications] 山下 秀智: "願力自然の風光"自然概念の哲学的変遷. 世界思想社. 334-352 (2003)

[Publications] 山下 秀智: "ケアの人間学-仏教の立場から"ケアの人間学. 1. 13-14 (2004)

[Publications] 浜渦 辰二: "フッサールにおける現象学と存在論"立命館哲学. 15. (2004)

[Publications] 浜渦 辰二: "末期がん患者の精神的ケアについて"ケアの人間学. 1. 3-4 (2004)

[Publications] 上利 博規: "「絵画における真理」をめぐるデリダの言説"静岡大学人文学部 人文論集. 54-2. 1-22 (2004)

[Publications] 上利 博規: "静岡の芸能文化の歴史"2003年度地域連携研究報告書 駿河・静岡の芸能文化. 静岡大学. 4-131 (2004)

[Publications] 上利 博規: "芸術療法から鳥の歌へ-共感の後にくるもの"ケアの人間学. 1. 9-10 (2004)

[Publications] 田中 伸司: "「こえによるふれあい」についての実験レポート--竹内敏晴『ことばが劈(ひら)かれるとき』の「話しかけのレッスン」をめぐって"ケアの人間学. 1. 25-26 (2004)

[Publications] 森下 直貴ほか: "第1回医療倫理教育ワークショップ報告"医学教育. 34-3. 187-192 (2003)

[Publications] 森下 直貴: "人間が「目的」であることの根拠"哲学と現代. 19. 53-69 (2003)

[Publications] 岩井 淳: "ヒルとトレヴァ=ローパーの死--イギリス革命論への足跡"歴史学研究. 783. 19-27 (2003)

[Publications] 岩井 淳: "「ブリテン帝国」の成立--16〜17世紀の帝国概念と古代ローマ"歴史学研究. 776. 19-30 (2003)

[Publications] 鈴木 実佳: "「不幸な女」と「堕ちた女」:18世紀から19世紀の慈善と売春婦"腐敗と再生--身体医文化論(小菅隼人編、慶應大学出版会). 3. (2004)

[Publications] 原尻 英樹: "ハワイのコリアン:李承晩から戦略的適応への過程"ハワイ研究への招待(後藤明・松原・塩谷編、関西学院大学出版会). 265-274 (2004)

[Publications] 森下直貴, 山崎(松田)純: "倫理力を鍛える(加藤尚武編)"小学館. 239 (2003)

[Publications] 森下 直貴: "健康への欲望と<安らぎ>--ウェルビカミングの哲学"青木書店. 220 (2003)

[Publications] 森下 直貴ほか: "バイオエシックスハンドブック--生命倫理を超えて(木村利人編集主幹)"法研. 462 (2003)

[Publications] 森下 直貴ほか: "健康の本質(ノルデンフェルト著)"時空出版. 326 (2003)

[Publications] 森下 直貴ほか: "新しい医学教育の流れ(高橋優三・鈴木康之編)"三恵社. 418 (2003)

[Publications] 高田 純: "環境思想を問う"青木書店. 206 (2003)

[Publications] 原尻 英樹: "日本のなかの世界--つくられるイメージと対話する個性"新幹社. 184 (2003)

[Publications] 浜渦 辰二編: "フッサール研究 第2号"科研費報告書. (2004)

[Publications] 浜渦 辰二編: "ケアの人間学--合同研究会要旨集No.1"38 (2004)

[Publications] 浜渦 辰二編: "PROCEEDINGS OF THE THIRD INTERNATIONAL MEETING FOR HUSSERL STUDIES IN JAPAN"144 (2003)

松田純 (山崎純) 静岡大学, 人文学部, 教授 (30125679)

[Publications] 松田純: "ドイツにおけるヒト胚政策をめぐる議論"生命倫理政策とヒト胚-米英独仏(人体利用等にかんする生命倫理基本法)研究プロジェクト). 21-28 (2003)

[Publications] 松田純: "Enhancement(増進的介入)と「人間の弱さ」の価値"独仏生命倫理研究資料集. 2. 13 (2004)

[Publications] 松田純: "前近代のヒューマン・ケアに学ぶ"ケアの人間学. 1. 17-18 (2004)

[Publications] 松田純訳: "ヒレ・ハカー「フェミニスト生命倫理学」(共訳)"独仏生命倫理研究資料集. 2. 17 (2004)

[Publications] 山下秀智: "西田最晩年の宗教観"立命館人間科学研究. 5. 85-96 (2003)

[Publications] 山下秀智: "願力自然の風光"自然概念の哲学的変遷. 世界思想社. 334-352 (2003)

[Publications] 山下秀智: "ケアの人間学-仏教の立場から"ケアの人間学. 1. 13-14 (2004)

[Publications] 浜渦辰二: "フッサールにおける現象学と存在論"立命館哲学. 15. (2004)

[Publications] 浜渦辰二: "末期がん患者の精神的ケアについて"ケアの人間学. 1. 3-4 (2004)

[Publications] 上利博規: "「絵画における真理」をめぐるデリダの言説"静岡大学人文学部人文論集. 54-2. 1-22 (2004)

[Publications] 上利博規: "静岡の芸能文化の歴史"2003年度地域連携研究報告書駿河・静岡の芸能文化. 静岡大学. 4-131 (2004)

[Publications] 上利博規: "芸術療法から鳥の歌へ-共感の後にくるもの"ケアの人間学. 1. 9-10 (2004)

[Publications] 田中伸司: "「こえによるふれあい」についての実験レポート--竹内敏晴『ことばが劈(ひら)かれるとき』の「話しかけのレッスン」をめぐって"ケアの人間学. 1. 25-26 (2004)

[Publications] 森下直貴ほか: "第1回医療倫理教育ワークショップ報告"医学教育. 34-3. 187-192 (2003)

[Publications] 森下直貴: "人間が「目的」であることの根拠"哲学と現代. 19. 53-69 (2003)

[Publications] 岩井淳: "ヒルとトレヴァ=ローパーの死--イギリス革命論への足跡"歴史学研究. 783. 19-27 (2003)

[Publications] 岩井淳: "「ブリテン帝国」の成立--16〜17世紀の帝国概念と古代ローマ"歴史学研究. 776. 19-30 (2003)

[Publications] 鈴木実佳: "「不幸な女」と「堕ちた女」:18世紀から19世紀の慈善と売春婦"腐敗と再生--身体医文化論(小菅隼人編、慶應大学出版会). 3. (2004)

[Publications] 原尻英樹: "ハワイのコリアン:李承晩から戦略的適応への過程"ハワイ研究への招待(後藤明・松原・塩谷編、関西学院大学出版会). 265-274 (2004)

[Publications] 森下直貴: "健康への欲望と<安らぎ>--ウェルビカミングの哲学"青木書店. 220 (2003)

[Publications] 森下直貴ほか: "バイオエシックスハンドブック--生命倫理を超えて(木村利人編集主幹)"法研. 462 (2003)

[Publications] 森下直貴ほか: "健康の本質(ノルデンフェルト著)"時空出版. 326 (2003)

[Publications] 森下直貴ほか: "新しい医学教育の流れ(高橋優三・鈴木康之編)"三恵社. 418 (2003)

[Publications] 高田純: "環境思想を問う"青木書店. 206 (2003)

[Publications] 原尻英樹: "日本のなかの世界--つくられるイメージと対話する個性"新幹社. 184 (2003)

[Publications] 浜渦辰二編: "フッサール研究第2号"科研費報告書. (2004)

[Publications] 浜渦辰二編: "ケアの人間学--合同研究会要旨集No.1"38 (2004)

[Publications] 浜渦辰二編: "PROCEEDINGS OF THE THIRD INTERNATIONAL MEETING FOR HUSSERL STUDIES IN JAPAN"144 (2003)