2004 Fiscal Year Annual Research Report
大乗仏教の起源と実態に関する総合的研究-最新の研究成果を踏まえて-
Project/Area Number |
15320010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斉藤 明 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (80170489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末木 文美士 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90114511)
高橋 孝信 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (10236292)
土田 龍太郎 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20163826)
丸井 浩 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30229603)
下田 正弘 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (50272448)
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Keywords | 大乗仏教 / 大乗仏教の起源 / 大乗仏教の実態 / 大乗仏説論 / 大乗非仏説論 |
Research Abstract |
本年度は、各研究分担者の分担テーマを掘り下げるとともに、研究課題に関連する海外の研究者を招聘し、最新の研究情報を交換することに主眼を置いた。6月には、近年、『宝積経』『般若心経』等の大乗経典研究を、チベット訳諸版本をもとに意欲的に進めるJonathan Silk教授(UCLA)を、また12月には、ヒンドゥー・タントリズムならびに後期インド密教研究の第一人者として著名なAlexis Sanderson教授(Oxford大)をそれぞれ招聘し、講演とともに、集中講義の担当をお願いした。またこの3月には、IAHR(国際宗教学宗教史会議第19回大会)において研究代表者が組織するパネルへの参加者として、現在、インド・チベット中観思想ならびに仏教論理学研究の分野を国際的にリードするTom Tillemans教授(Lausanne大)を招聘する。 このIAHRのパネルは、「仏教における意味論の形成-ディグナーガ、バーヴィヴェーカ、ダルマキールティの影響関係を中心として」と題し、以下のような構成のもとに、最新の研究成果をふまえた議論が期待されている。(日時:3月29日11:00-13:00、会場:高輪プリンスホテル、セッションNo.13M) ・コンヴィーナー・司会: 斉藤 明(東京大) ・パネリスト: 1 斉藤 明「バーヴィヴェーカにおける知覚論と意味論の結節点」 2 上田 昇(目白大)「ディグナーガの意味論-その階層的sabdarthaについて」 3 Tom Tillemans(ローザンヌ大)「アポーハ論、ディグナーガからダルマキールティへ-主題の一貫性をめて」 ・コメンテーター: 桂 紹隆(龍谷大) なお、今年度は、次年度の研究の下準備として、バーヴィヴェーカ大乗仏説論を展開する『中観心論』第4章およびその注釈『論理の炎』のチベット訳テキストの校訂作業を終えた。また、研究代表者ならびに2人の研究分担者は、昨年8月にモスクワで行われた第37回ICANAS(国際アジア・北アフリカ研究会議)において、それぞれの研究成果の一部を報告した。
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Research Products
(7 results)