2003 Fiscal Year Annual Research Report
「布教」と「改宗」の比較宗教学的研究―モダニティ・宗教・コロニアリズム
Project/Area Number |
15320014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
關 一敏 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (50179321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 淳 愛知学院大学, 文学部, 教授 (90156456)
山中 弘 筑波大学, 哲学思想学系, 教授 (40201842)
竹沢 尚一郎 国立民族学博物館, 博物館民族学研究部, 教授 (10183063)
関根 康正 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (40108197)
月本 昭男 立教大学, 文学部, 教授 (10147928)
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Keywords | 布教 / 改宗 / キリスト教 / コロニアリズム / モダニティ / 宗教類型 / 宗教間対話 / 表象の危機 |
Research Abstract |
本研究は「布教」と「改宗」という宗教の臨界点に焦点をしぼり、個々の宗教的伝統の内発的拡大の論理と、その結果、各地に生じた歴史的事態の検討をもとに、宗教表象の危機を学問的課題へと高める方法的な試みである。モダニティとコロニアリズムという近代世界の再編成を前提として、(1)「宗教」の定義でなく、古典的分類をふまえた新たな分類原理(orthodoxyとorthopraxy)による、より適合的な宗教理念の再構成を図ること、(2)西欧キリスト教モデルの世界普及のはらむ近代のダイナミズムを脱宗教的コンテクスト(ナショナリズム、コロニアリズム等の政治経済的要因など)との接合によって、より包括的な宗教学的主題群の回復を図ること、を目的とする。 今年度は三回の共同研究会において、1)問題提起、2)個別事例群の検討を試みた。 1)問題提起 a)宗教の理念型としてのキリスト教モデルの析出(practiceとbeliefの一致) b)仏教、イスラム、神道との比較可能性(orthodoxyとorthopraxyの類型) c)さまざまな布教概念の模索(段階論、類型論、それぞれの宗教的伝統内の用語群) 2)事例群の検討 上記の問題提起を受けつつ、キリスト教の布教と改宗の地域的事例群(ベトナム、タイ少数民族、フィリピン、中国)を検討した。その結果、世界宗教の普遍的理念とローカルな伝統との対抗・親和の力学は、a)慣習とその離床、b)言語の翻訳、という二つの軸に集約され、よって宣教の多様性もこの二点の変異パターンの組み合わせからなること、さらには被布教がわの「モダニティヘの改宗」がキリスト教によって媒介される過程も、この二点の事例研究群から析出可能であるとの展望を得た。 総じて上記目的の(1)の途上にあり、(2)は次年度以降の課題である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 関一敏, 林淳, 竹沢尚一郎 他8名: "岩波講座 宗教1 宗教とは何か"岩波書店. 294 (2003)
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[Publications] 山中弘, 月本昭男 他8名: "岩波講座 宗教2 宗教史の可能性"岩波書店. 300 (2004)