2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15320031
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
岩下 武彦 中央大学, 文学部, 教授 (00044735)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江富 範子 京都女子大学, 文学部, 助教授 (90203637)
樹下 文隆 県立広島女子大学, 国際文化学部, 教授 (70195337)
千艘 秋男 東洋大学, 文学部, 教授 (20103575)
深澤 眞二 和光大学, 表現学部, 教授 (80218875)
西田 正宏 大阪府立大学, 人間社会学部, 助教授 (00305608)
|
Keywords | 萬葉集 / テキスト / 校本 / 中世 / 享受 / 一葉抄 |
Research Abstract |
本年度な研究期間の最終年度にあたり、研究成果のまとめと新たな研究課題の確認を行った。 8月18日〜19日と、10月7日〜11日に京都で研究打ち合わせと資料調査の合宿を行った。また3月26日〜31日に最後の合宿を福岡市で行い、九州国立博物館他の資料調査と本研究の成果と新たな課題の確認を行った。 『一葉抄』の伝本調査とその校本作成については、諸本の校異を確認し、お茶の水図書館蔵本の一部を除き、すでにデータは全て収集済みで、データベース化してある。 校本については、お茶の水図書館蔵本の調査の終了を待って、成稿の予定である。報告書には諸本研究の成果として、千艘秋男「京都大学附属図書館蔵本『万葉一葉抄』について」、西田正宏「国文学研究資料館史料館蔵清水谷家文書本『万葉一葉抄』の本文について」の2編と、『新校本一葉抄』作成に向けて、その方向を確かめる資料の一部として、自筆本のみに存する部分を含む巻3の一部の校異の状況を掲げた。千艘論文は、『一葉抄』の伝本についての基本文献であり、本研究の基礎となる「『万葉一葉抄』について-京都大学附属図書館蔵本の評価と位置づけ-」(『』)を補訂した。また、西田論文は、清水谷本の本文考証をとおして、一葉抄の諸本系統に問題を提起し、中世萬葉集の伝来形態に新たな問題を投げかける。 さらに、4月30日〜5月3日に高岡市万葉歴史館、8月22日〜24日、10月14日〜15日にお茶の水図書館、8月27日〜28日に刈谷市立図書館、12月24日〜29日に島根県立図書館他、2月25日〜28日に石川県立図書館他等に資料調査に赴いた。これらの調査により、なお中世萬葉テキストの確認の必要なことが確認された。 また、一葉抄との関連が注意される『校正一葉抄』については、監修者である賀茂季鷹門下の松田直兄書き入れの『古万葉集』や、同じく門下で『校正一葉抄』の伝来に関わる服部敏夏の編になる『萬葉集類句』の稿本と目されるものが神宮文庫に所蔵されているなど、新たな手がかりが得られつつある。これらの究明を通して、中世萬葉テキストの実態を確かめる手がかりが得られると思う。
|
Research Products
(7 results)