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2005 Fiscal Year Annual Research Report

中世西欧文学の「間テクスト性」に関する文献学的・言語学的研究

Research Project

Project/Area Number 15320037
Research InstitutionTokyo University of Foreign Studies

Principal Investigator

浦田 和幸  東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (50168762)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 川口 裕司  東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (20204703)
黒澤 直俊  東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (80195586)
岩崎 務  東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00151720)
Keywords中世西欧文学 / 間テクスト性 / Boethius / De Consolatione Philosophiae
Research Abstract

昨年度に引き続き、ローマの哲学者Boethius(ボエチウス)の代表作De Consolatione Philosophiae(『哲学の慰め』)を主たる研究対象とし、本作品の各種テクストを文献学的・言語学的観点から検討し、原文と翻訳、翻訳と翻訳などの「間テクスト性」を具体的に考察する作業を進めた。
ラテン語に関しては、『哲学の慰め』のラテン語文体の特徴を分析した。また、P.Courcelle, La Consolation de Philosophie dans la tradition litteraire : Antecedents et posterite de Boece (1967)所収の9世紀の注釈書、および、12世紀のコンシュのウィリアムの注釈書を検討することによって、後世の翻訳に与えた影響、注釈の特徴に窺われる知的風土の時代的な変化について、分析を開始した。
フランス語に関しては、『哲学の慰め』の複数の古フランス語訳がフランスでどのように受容されていたのかを文献学的に調査した。またラテン語の原典からの翻訳の問題を、いくつかの観点(否定形、指示詞・冠詞)において言語学的に対照分析した。
英語に関しては、14世紀のGeoffrey Chaucerよる中英語訳を中心に『哲学の慰め』の英訳テクストを比較検討し、言語的特徴を体系的に分析するための基礎データを整備した。
ポルトガル語に関しては、14世紀末から15世紀にかけて匿名の修道僧によって著された『夫の庭』(Horto de Esposo)に対する、ボエチウスの影響等について検討した。この作品には、様々な先行作品の影響が指摘されているが,特にボエティウスに関連する部分についていくつかを選び,部分的ではあるものの考察した。また、翻訳作品における間テクスト的な影響を、特に言語形式の観点から分析並びに考察するために、『聖杯の探索』(Demanda do Santo Graal)について、Bogdanowのエディションの古仏語オリジナルが存在する部分と中世ポルトガル語テクストを対照し、言語的特徴を体系的に分析するための基礎データを整備した。
なお、本研究を遂行するなかで文献資料を中心に物品購入費が予定よりも必要となり、経費の全額を物品費に充てることになったが、研究環境の充実により本年度の成果をあげることができ、次年度への土台を築くことができた。

  • Research Products

    (5 results)

All 2005

All Journal Article (5 results)

  • [Journal Article] Recherches Linguistiques sur le champenois meridional au moyen age Aspects phonetiques et graphiques2005

    • Author(s)
      川口 裕司(単著)
    • Journal Title

      ANRT (Atelier national de reproduction des theses)

      Pages: v+480

  • [Journal Article] 中世フランス語における方言研究の現状2005

    • Author(s)
      川口 裕司(単著)
    • Journal Title

      フランス語を探る フランス語学の諸問題III

      Pages: 324-336

  • [Journal Article] 通時的観点からみたフランス語の否定辞2005

    • Author(s)
      川口 裕司(単著)
    • Journal Title

      言語情報学研究報告7 コーパス言語学における語彙と文法(21世紀COE研究報告集,東京外国語大学大学院)

      Pages: 319-337

  • [Journal Article] カトゥッルスのアンビヴァレンス--ウェーローナとローマの間で--2005

    • Author(s)
      岩崎 務(単著)
    • Journal Title

      総合文化研究(東京外国語大学総合文化研究所) 9号

      Pages: 6-19

  • [Journal Article] 初期近代英語における接続法-Tyndale訳聖書をめぐって2005

    • Author(s)
      浦田 和幸(単著)
    • Journal Title

      言語情報学研究報告7 コーパス言語学における語彙と文法(21世紀COE研究報告集,東京外国語大学大学院)

      Pages: 467-482

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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