2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本人英語学習者の話し言葉・書き言葉のコーパス作成とその語用論的対照分析
Project/Area Number |
15320059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
池上 嘉彦 昭和女子大学, 文学研究科, 教授 (90012327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 喜正 昭和女子大学, 人間文化学部, 教授 (80194463)
朝尾 幸次郎 立命館大学, 文学部, 教授 (40102462)
金子 朝子 昭和女子大学, 文学研究科, 教授 (10138505)
投野 由紀夫 明海大学, 外国語学部, 助教授 (10211393)
小林 多佳子 昭和女子大学, 人間社会学部, 助教授 (50249009)
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Keywords | 日本人英語学習者 / 書き言葉 / 話し言葉 / ICLE / LINDSEI |
Research Abstract |
平成12年度から14年度の3年間に引き続き、平成15年度から18年度の4年計画で、日本人英語学習者の書き言葉および話し言葉のコーパスを作成・整理し、文法能力、語用論能力を中心としたコミュニケーション能力の発達について、他の文化圏の英語学習者の場合と比較対照しつつ研究し、広く研究者用にコーパスを公開する準備を行なうために、本年は以下の研究活動を行なった。 1.書き言葉データ収集 大学3・4年生から、より質の高いargumentative essayを集め、ICLE (International Corpus of Learner English)のサブ・コーパス用データとして不足しているデータの収集に努めた。 2.話し言葉データのエラータグ付け 既にLINDSEI (Louvain International Database of Spoken English Interlanguage)の基準に従い収集した大学3・4年生52名のインタビューは、Louvain大学に送付済みであるが、その内の4万語にエラータグを付した。 3.ICLE、LINDSEI日本人データのWeb公開 ICLEのサブ・コーパスとして、日本人データのAレベル(上級)のみを使用するため、Bレベル(中級)のデータをWeb(http://www.eng.ritsumei.ac.jp/icle-j/sample_data/)で公開した。サンプルは、自由に見ることができるが、研究のために使用する場合は使用条件の承諾後、申し込み者に直接データを添付して送付する。また、英語話者のデータも条件付きで利用可能となっている。LINDSEIの日本人データも同様の手続きで、一般の研究者の利用が可能となっている。現在、両コーパスの利用申し込みは合わせて20件に及んでいる。 4.分析研究 ICLE/LINDSEIのデータと日本人データを比較しながら、動詞の時制、that節を導く5つの動詞、つなぎ言葉の習得に関しての研究を更に発展させて、日本人学習者の英語習得のプロセスの解明を試みた。また、LINDSEIを利用して、日本人英語学習者の語用論的能力、特に感情表現の習得に関する研究も行なった。 5.シンポジュウム開催 平成16年3月13日(土)・14、日(日)に、International Symposium on Learner Corpora in Asia(学習者コーパス国際シンポジウム)を、昭和女子大学にて開催した。第1日目は、2部屋に分かれてのPCを使ったワークショップを実施し、中国やインドネシアからの参加者も含めて36名の参加があった。そして、第2日目のシンポジュウムには、60名以上の参加者を集めた。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 池上 嘉彦: "日本語における<主観性>の指標-個別言語志向的な類型論へ向けて"市河賞36年の軌跡(語学教育研究所編)(開拓社). 235-243 (2003)
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[Publications] Yoshihiko Ikegami: "How Language is Conceptualized and Metaphorized - an Essay in Language Ideology"Motivation in Language (H.Cuychens et al., eds.) (Amsterdam : John Benjamins). 259-271 (2003)
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[Publications] Tomoko Kaneko: "The Use of Negative Emotional Expression in English by Non-Native Speakers : A Corpus-Based Comparative Study"学苑(昭和女子大学). 752号. 1-24 (2003)
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[Publications] Yoshimasa Ogawa: "EFL Learners' Working Memory Consumption in the Process of Word Search"学苑(昭和女子大学). 759号. 69-78 (2003)
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[Publications] 投野由紀夫: "コーパス言語学の手法を応用した第二言語習得研究"応用言語学研究. 6. 19-35 (2004)
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[Publications] 小林 多佳子: "学習者口語コーパスを利用した肯定的感情表現の比較研究"英語コーパス研究(英語コーパス学会). 第11号. (2004)
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[Publications] Misuzu Takami: "An Analysis of Japanese EFL Learners' Use of Adjectival Emotive Participles in Spoken Discourse"学苑(昭和女子大学). 752号. 54-64 (2003)
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[Publications] Naoko Akahori: "A Corpus-Based Study of the Use of the Conjunction because by Japanese ESL Learners"学苑(昭和女子大学). 752号. 65-70 (2003)
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[Publications] 金子 朝子他 292名: "応用言語学事典"研究社. 5(972) (2003)
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[Publications] 投野 由紀夫(監修): "小学館-ケンブリッジ英英和辞典"小学館. 927 (2004)
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[Publications] 投野 由紀夫(共著): "英語語彙の指導マニュアル"大修館書店. 256 (2003)