2006 Fiscal Year Annual Research Report
近代大和地方のコレクション収集活動から見た「日本文化」形成過程の研究
Project/Area Number |
15320092
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
久留島 浩 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (30161772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 博志 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (30202146)
吉井 敏幸 天理大学, 文学部, 教授 (40150148)
中井 精一 富山大学, 人文学部, 助教授 (90303198)
岩淵 令治 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教授 (90300681)
高橋 一樹 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教授 (80300680)
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Keywords | 近代 / 大和 / 奈良 / コレクション / 水木 / 文化史 / 郷土史 / 史学史 |
Research Abstract |
1)最終年度にあたる本年度は、研究成果を集約して報告書と論文集を刊行するための準備を具体化し、各研究分担者・協力者の論文執筆と並行して全体研究会を8月5日に国立歴史民俗博物館で開催した。そこで内容の精査と全体の調整をはかった。また、水木コレクションの収集者である水木要太郎が参加した修学旅行のコースを水木の記録にもとづき巡検し、その現状を確認した。なお、この水木の記録は本研究の報告書で翻刻する。 2)水木要太郎の生誕地である伊予松山において、資料調査と水木の生家での聞き取り調査を12月22日・23日に実施した。それを通じて、水木コレクションの資料からは十分に明確化できなかった、松山中学前後や東京師範学校時代進学後の水木要太郎と故郷松山との関係が浮かび上がってきた。生家の存続と地元での土地所有の関係、さらには奈良女子高等師範学校時代の水木による色紙などの資料がかつて保存されていたようである。正岡子規など松山中学同窓生で同時期に上京した同郷者と水木との交流は確認できなかったが、近世の文人に系譜するような水木の日記や大福帳と類似した形態と内容をもつ諸資料が、子規関係資料に存在することが確認できた。また、生家付近では、水木要太郎の家族構成をはじめ、水木家の墓地も確認することができた。水木の人格形成や歴史的な環境と、水木コレクションの形成背景との関係を考えるうえで重要な成果となった。 3)水木コレクションの継承者で要太郎の孫にあたる水木筈夫氏の聞き取り調査を2月7日に行った。大和郡山における要太郎の活動や地域との交流のあり方、さらにコレクションの収集・保存状態などについて、具体的かつ貴重な証言を得ることができた。
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Research Products
(6 results)