2003 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける「学」の連鎖-中華民国期の日中間の留学生派遣に関する比較研究
Project/Area Number |
15320097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
大里 浩秋 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (70221124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並木 頼寿 東京大学, 大学院・綜合文化研究科, 教授 (80155986)
孫 安石 神奈川大学, 外国語学部, 助教授 (30321954)
木山 英雄 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (10008906)
川島 真 北海道大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (90301861)
三好 章 愛知大学, 現代中国学部, 助教授 (90301621)
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Keywords | 日中関係史 / 留学生 / 日中戦争 / 日華学報 |
Research Abstract |
本研究は中華民国期における日本と中国の留学生交流の具体上を明らかにし、20世紀の日中関係史を広い意味における「学」の連鎖という視点から再構築することを目指すものである。 本年度の国内研究は、5月(神奈川大学)の企画打合せ会、9月(北海道大学)と10月(愛知大学)の研究会を中心としたものであった。9月18日に開催された研究会では大里浩秋「中国人留学生発行の雑誌と『日華学報』」が報告され、10月の愛知大学での研究会では、愛知大学学生課の協力で戦前上海に開校していた上海東亜同文書院の学籍簿を閲覧することができ、霞山文庫が所蔵する中国教育・日中関係史関係の資料を収集することができた。 国外調査は1月(南京第二歴史档案館、上海市図書館)、3月(台湾国史館・中央研究院)の留学生関係資料調査を実施した。南京第二歴史梢案には北京政府・南京政府・華北臨時政府・汪精衛政府時期の教育部档案の中に、1930年以後の中国人留日学生に関する多くの資料が現存することを確認できたが、短い日程であったため資料の複写はできなかった。台湾/国史館では、請求番号197-066(84巻)の「留学事務-日本」に、1937年〜1955年の中国人の日本留学に関する資料が豊富に含まれていることを確認でき、一部の資料を複写することができた。同資料によって、日中戦争の開始と留日学生の帰国に関連する資料・留学・帰国経費の補助要請と国民政府の救済政策などの概略を掴むことができるだろう。 本年度は国内外の資料調査が中心であったため研究分担者が論文を執筆するまでの成果は挙げることができなかったが、2004年度中には南京第二歴史档案、台湾国史館の史料調査結果と「日華学報』の電子版目次の公開について報告できる体制を整えたい。また、本年度の調査で複写できた日本外務省外交史料館の留学生関連史料についても個別研究の成果を積み上げていきたい。
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