• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2005 Fiscal Year Annual Research Report

古代官衙の造営技術に関する考古学的研究

Research Project

Project/Area Number 15320114
Research InstitutionNational Research Institute Cultural Properties, Nara

Principal Investigator

山中 敏史  独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター・遺跡調査技術研室長 (90000504)

Keywords官衙 / 掘立柱建物 / 礎石建物 / 平面形式 / 柱堀方 / 基壇 / 身舎 / 廂
Research Abstract

今年度は、近畿以西の官衙関係遺跡における建物遺構の資料収集作業を進めるとともに、隅柱堀方等、建物遺構の属性について一部補訂し、それに伴いデータベース構造に改良を加え、東日本の収集データに改訂を加えた。そして、関東以北の官衙遺跡について、その成果の一部を地方官衙関係遺跡データベースとして奈良文化財研究所ホームページ上に公開した。公開件数は遺跡数で485件、建物基本データで6600件を数える。
このデータベースを活用し、廂の出について統計処理をおこない分析したところ、8世紀末以降に広廂が増加する傾向を見いだすことができた。また、かつて梁行3間の建物は古式のものとする意見もあったが、梁行間数について検討した結果、8世紀後半以降においても多用されていることが明らかとなり、時期的な特徴とはみなしがたいことも判明した。
総柱高床倉庫遺構の柱穴規模の分析では、側柱堀方が束柱堀方より大型で、側通し柱構造の可能性が高いとみられる例は、全体の一割強で、桁行5間以上になるとその割合は内外柱穴規模が同じものに近い数となる。これは長大な倉には板倉が多かったことを示すと考えて良かろう。また、3×3間の倉は2×2間の倉に次いで多いことが明らかとなり、3×3間が正倉の典型例であるとしてきた従来の見解を検証することができた。
隅柱が隅行き方向の柱堀方を伴う遺跡の分布は、北関東以北に集中するが、その中では現状ではいわき市根岸遺跡の例が7世紀代と最も古く、北関東ないしは陸奥国南部からこの土木工法が展開した可能性を考えうる。また、面取り状堀方は関東に多く、集落にも多く認められ、在地の技術が官衙造営にも導入されたことを示唆しているが、なお、建物構造との関連性などこれからの検討を進めていく予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2006

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 官衙および官衙関連遺跡をめぐる諸問題2006

    • Author(s)
      山中 敏史
    • Journal Title

      静岡県考古学会シンポジウム 古代の役所と寺院

      Pages: 11-36

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi