2004 Fiscal Year Annual Research Report
転換期南極条約体制が直面する組織的・環境的諸課題の複合研究
Project/Area Number |
15330010
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
柴田 明穂 岡山大学, 法学部, 助教授 (00273954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒神 直純 岡山大学, 法学部, 助教授 (80294396)
高村 ゆかり 龍谷大学, 法学部, 助教授 (70303518)
渡邉 研太郎 国立極地研究所, 生物系資料部, 助教授 (30132715)
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Keywords | 南極条約 / 国際法 / 国際環境法 / 国際機構法 / 国際事務局 / 賠償責任 / 南極観光 / 南極環境 |
Research Abstract |
平成16年度の研究は、当初の計画通り遂行され、十分な成果が得られた。 まず、南極条約事務局設置に関する議論については、研究代表者(柴田)と研究分担者(黒神、渡邊)を第27回南極条約協議国会議に派遣し、同事務局の実際の運営を可能にする法的文書を収集すると共に、特に「事務局と協議国会議との間の会期間協議メカニズム」に関する議論に作業文書を提出するなどして貢献しつつ、議論の動向をつぶさにフォローした。さらに、こうした議論の国際法的、国際機構法的分析を行うため、関連文献を収集・検討し、その研究に取りかかった。これらの研究成果として、柴田明穂「南極条約体制の組織的側面」(台湾国際法学会主催「台湾における国際海洋法と漁業法の展開」国際会議報告)がある。 次に、南極環境損害賠償付属書に関する議論については、第27回南極条約協議国会議における損害賠償附属書作業部会において提出された全関連文書を収集し、議論の動向をつぶさにフォローした。これら資料及び動向の国際法的、国際環境法的分析にも取りかかり(柴田、高村)、特に、緊急事態に対応した際の費用の求償メカニズムを、国家間仲裁、国内民事訴訟法、ないし国内行政法によって履行する方法等について検討を開始した。また、関係省庁会議や商事法務研究会主催の本問題検討会にも積極的に参加し、情報収集するとともに、本研究に基づく知見等を提供した。これらの研究成果として、高村ゆかり「国際環境法におけるリスクと予防原則」がある。 本件附属書交渉は、平成17年4月の会期間会合及び同6月の第28回協議国会議においてほぼ妥結する見込みであるところ、上記研究成果を基礎としつつ、附属書全体の法的検討を開始する予定である。
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Research Products
(2 results)