2003 Fiscal Year Annual Research Report
セミパラメトリックEL法による統計的推測の1次及び高次漸近理論とその応用
Project/Area Number |
15330040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西山 慶彦 京都大学, 経済研究所, 助教授 (30283378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
人見 光太郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (00283680)
谷崎 久志 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (60248101)
森棟 公夫 京都大学, 経済学研究科, 教授 (20109078)
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Keywords | 経験尤度関数 / 漸近理論 / シミュレーション / 時系列解析 |
Research Abstract |
本年の研究においては、Hitomi(2003,2004)において、最大経験尤度推定法のバイアスの性質に関する研究がなされた。最大経験尤度推定法のバイアスについてはNewey and Smith(2004)の論文において漸近理論的に評価されているが、その小標本特性は未知である。そこで、この論文においては誤差項と説明変数に相関があるような線形モデルにおける最大経験尤度推定量、Exponential tilting推定量、GMM推定量の3つの推定量に関してそのバイアス、分散をモンテカルロシミュレーションによって調べた。特に興味対象としているのは、用いる操作変数の数、すなわちモーメント条件の数が推定量のパフォーマンスにどれほどの影響を有するかという点である。すでにそれらの推定量に関しては有限標本でのバイアスが少なからずあることは様々な研究において指摘されているとおりであり、またそのバイアス修正法に関してもいくつか提案されている。本稿はそれらの推定量の比較を行っている。その結果、最大経験尤度法推定量に関してはモーメント条件の数が標本数の10%を超えたあたりから急激にバイアスが上昇していくことがわかった。他方、GMMやExponential Tilting推定量に関しては、バイアスが緩やかでほぼ線形にに上昇している。結果的には、モーメント条件の数が標本数の10%程度まではバイアス修正をほどこしたEL、GMM法のパフォーマンスが良く、それを超えるとELのパフォーマンスが悪くなるという結果であった。今後の研究としては、非線形、時系列を視野に入れた別の設定でのシミュレーション研究が考えられる。 一方、Nishiyama and Osada(2004)は、パレート分布の下でのrank size rule回帰に関する有限標本特性及び一次の漸近理論を調べた。そこでは、通常回帰分析で用いられることの多いt検定のためのt統計量が漸近的に発散することが証明され、それを用いた既存の実証研究の誤りを指摘するものとなっている。本研究の拡張としては、パレート分布の仮定を緩め、経験尤度法などの分布に依存しない手法による推定量の分布理論を調べることが考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Hitomi: "Empirical Likelihood, exponential tilting, and GMM estimators with a number of moment conditions"Proceedings of MODSIM 2003. 3. 1386-1391 (2003)
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[Publications] Y.Nishiyama: "Bootstrap bandwidth and kernel order selection for density weighted averages"Proceedings of MODSIM 2003. 3. 1392-1397 (2003)
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[Publications] Y.Nishiyama: "Statistical theory of rank size rule regression under Pareto distribution"Proceedings of iEMSs. (Forthcoming). (2004)
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[Publications] K.Hitomi: "Empirical Likelihood, exponential tilting, and GMM estimators with a number of moment conditions"Mathematics and computers in simulation. (Forthcoming). (2004)