2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15330043
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Research Institution | HITOTSUBASHI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
深尾 京司 一橋大学, 経済研究所, 教授 (30173305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 努 学習院大学, 経済学部, 教授 (30272777)
乾 友彦 日本大学, 経済学部, 教授 (10328669)
河井 啓希 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (00276396)
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Keywords | JIPデータベース / 全要素生産性 / 貿易構造 / IT投資 / 失われた十年 / 対日直接投資 / 均衡為替レート / 購買力平価 |
Research Abstract |
15年度完成したJIPデータベースを用いて、以下の実証分析を行った。 1.Fukao, Inui, Kawai, and Miyagawa(2004)では、JIPデータベースを用いて産業別に全要素生産性の上昇率を測定し、その決定要因を分析した。その結果、90年代には製造業を中心に生産性上昇率が停滞したこと、一方規制緩和が進んだ放送・通信、商業等の産業では生産性上昇率が加速されたことが分かった。また乾・権(2005)では、生産性上昇に関する先行研究をサーベイした。 2.Miyagawa, Ito and Harada (2004)および宮川・浜潟(2004)では、IT投資や研究開発投資の状況を国際比較し、IT投資現在の効果や日本においてこれらの投資が生産性上昇に与えた影響を明らかにした。 3.Ito and Fukao (2005a)では、JIPデータベースの年次産業連関表と貿易に関する付帯表を使って、貿易に体化された生産要素を測定し、産業間貿易よりもむしろ、中国を初めとする東アジア諸国との垂直的分業を伴う産業内貿易が、国内の生産要素需要に大きな影響を与えている可能性があることが分かった。 4.Ito and Fukao (2005b)では、JIPデータベースの付帯表を用いて、産業別に外資系企業のプレゼンスを規制や寡占の程度等のデータと比較することにより、対日直接投資の阻害要因を探った。 この他、企業活動基本調査の個票を用いて、M&Aが投資先企業の生産性上昇に寄与することを示したFukao, Ito and Kwon (2005)、アジア諸国および米国の労働生産性を比較し、均衡為替レートの動向を分析したMiyagawa, Toya and Makino (2005)、1930年代における購買力平価を算出し、日・韓・台間の一人当たりGDPを比較したFukao, Ma and Yuan (2005)等の研究を行った。 また、JIPデータベースを更新する作業を進め、2005年初夏には直近データまでの更新が完成する見通しとなった。
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