2005 Fiscal Year Annual Research Report
北東アジア地域経済協力の進展と前提条件に関する研究
Project/Area Number |
15330060
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Research Institution | RITSUMEIKAN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松野 周治 立命館大学, 経済学部, 教授 (10128457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西口 清勝 立命館大学, 経済学部, 教授 (20039465)
中川 涼司 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (30198048)
LEE Kangkook 立命館大学, 経済学部, 助教授 (00367989)
文 京洙 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70230026)
中戸 祐夫 宇都宮大学, 国際学部, 助教授 (60334075)
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Keywords | 北東アジア / 地域経済協力 / 延辺 / 大連 / 互市貿易区 / 羅津・先鋒 / 朝鮮 / IT |
Research Abstract |
テーマに関連する研究会、国際シンポジウム(台北、大連、京都)、実態調査(中国黒龍江省南東部、遼寧省大連)、訪問その他を通じて研究し、主として以下のような成果を得た。 1.中国社会科学院、延辺大学、大連市発展研究センター、吉林大学、台湾大学、台湾における東北アジア地域研究の研究成果を吸収した。 2.中国黒龍江省東部地域(綏芬河や東寧)で、中露国境を跨ぐ経済協力(大規模互市貿易区の建設など)が活発化しており、吉林省の中露国境地域にも波及する可能性がある。なお、吉林省東部の対朝鮮貿易、投資活発化の前提である懸案の朝鮮・羅津港へのアクセス道路を中国側の投資によって改善し、見返りとして中国が羅津港の一部を占用するなどの協定が最近締結された。同協定が実行されれば、朝鮮への外国投資など、経済協力の前提条件が整備される可能性がある。 3.中国政府は、2003年秋から「東北老工業基地振興プロジェクト」を大規模に推進しはじめた。例えば、大連市は「1つの中心4つの基地」という発展戦略のもとに、開発区や輸出加工区・保税区と港湾を一体的に機能させる試み、ITソフトウェアパークの発展計画などが進められている。大連以外の地域も含む遼寧省、さらに吉林省、黒龍江省において、東北振興戦略の下で、企業改革を中心とした経済改革と、外国資本並びに中国国内他地域からの資本導入が新たに推進されている。中国東北地域における北東アジア地域経済協力の新たな発展の条件が生まれるとともに、貿易、投資など実際の協力が拡大しようとしている。 4.北東アジア地域経済協力の具体的内容が検討され、北東アジアの国際物流の現状と今後の改善のための課題、中国(大連)のITソフト産業の現状と問題点、その発展のための課題、農業ビジネス協力の展開可能性を示した。 5.朝鮮の経済改革と対外経済開放を支える基礎条件整備(港湾へのアクセス道路の改修や新設など)や中国の東北振興戦略と関連した協力、中国IT産業高度化のための協力、北東アジア国際物流の整備など、北東アジア経済協力の具体的課題が明らかになった。また、経済協力を支える北東アジア自治体交流など幅広い取り組みについて具体的に提案した。
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Research Products
(14 results)