2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15330061
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神野 直彦 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20145767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 岳彦 立教大学, 経済学部, 教授 (50202875)
DEWIT Andrew Pieter James 立教大学, 経済学部, 助教授 (80281757)
佐々木 伯朗 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (10263550)
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Keywords | 税制改革 / 財政社会学 / 歴史的制度学派 / 国際研究者交流 / 日本:ドイツ:スウェーデン:アメリカ:カナダ |
Research Abstract |
研究代表者及び研究分担者は協力して、日本及び国際比較の対象となる諸国の税財政制度の現状、政策過程の特徴及び政府間財政関係に関する資料収集・分析を進めた。平成16年度は、2名の研究分担者が海外出張を行い、資料・情報収集を行う、もしくは国際的ワークショップに参加して報告と議論を行う、という形で研究を進展させた。 このうち佐々木伯朗(東北大学)は、高齢者福祉財政の日独比較のために、平成16年6月にドイツ連邦共和国のノルトライン・ウェストファーレン州において、州保健社会省、民間福祉団体及び福祉サービス事業者に対するヒアリング調査を行った。その結果、住民主体による新しいタイプの在宅サービスが増加していること、介護保険の介護報酬基準額は介護金庫・市町村及びサービス運営主体の交渉で決定され、州はルール作りやサービスの開発・情報提供を担うこと、高齢者の政治団体であるBAGSOは連邦保健省の補助金を受けるものの、ボランティア活動の仲介や高齢者の地位改善運動を自律的に行っていること、ケア付き住宅事業者は施設建設費用をすべて自前で賄っていること等がわかった。これにより、ドイツの介護保険制度は日本と比較して分権的であることが明らかとなった。 またアンドリュー・デウィット(立教大学)は、スヴェン・スタインモ(コロラド大学[アメリカ合衆国])とともに、平成16年12月、ハワイ大学日本研究所が開催したワークショップに参加して、税財政システムに関する比較政治経済学の手法による研究論文を報告し、参加者との間で活発な意見交換を行って研究を深化させた。 さらに、神野直彦(東京大学)・池上岳彦(立教大学)も含めて、研究代表者及び研究分担者はそれぞれ税財政制度に関する学会・研究会に参加して報告・討論等を行い、積極的に意見交換を行って国際比較分析を発展させた。
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