2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15330061
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神野 直彦 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20145767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 岳彦 立教大学, 経済学部, 教授 (50202875)
DEWIT Andrew 立教大学, 経済学部, 助教授 (80281757)
佐々木 伯朗 東北大学, 大学院経済学研究科, 助教授 (10263550)
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Keywords | 税制改革 / 財政社会学 / 歴史的制度学派 / 国際研究者交流 / 日本:ドイツ:スウェーデン:アメリカ:カナダ |
Research Abstract |
本年度は租税政策をめぐる政策過程の国際的な比較分析を行う本研究をまとめるべく、研究代表者および分担者が検討を重ね、財政社会学的アプローチから、財政赤字と日本での「三位一体改革」と呼ばれる国税と地方税との税源配分の問題にも焦点をあてながら、研究をまとめた。その上で、三か年にわたる研究をまとめるべく、それぞれの研究内容の分担を決定した。その決定に従い次のような研究を実施した。 アンドリュー=デウィットは「日本における租税政治の特質」をテーマに、日本の租税政策の特徴を、利害関係者間の対立構造、政策主張を反映させる制度装置、政治機構の特質といった政治的側面から分析している。 池上岳彦は「一般売上税をめぐる政府間関係」をテーマに、日本およびカナダにおける一般売上税の制度的特質について、政府間関係に焦点を当てつつ、両国の租税政策過程の分析を中心に比較分析している。 さらに、池上岳彦とアンドリュー=デウィットの共同研究として、「アメリカとカナダの租税政策」をテーマに、アメリカとカナダの租税政策がどのように変異し、それがどのような原因にもとづくかを分析している。 佐々木伯朗は「租税と社会保険料に関する日独比較」をテーマに、歴史的基盤の相違にもとづく、制度安定性への影響を日本とドイツで比較検討している。 最後に総論として、スヴェン=スタインモは「租税政策のグローバル・スタンダードは存在しない」をテーマに、先進諸国の租税制度は多様で単一モデルに収斂しないことを実証的に明らかにしている。神野直彦は「財政社会学的租税分析」をテーマに、規定要因と決定要因から財政社会学的アプローチをまとめている。 以上のような研究は未発表なので、それを出版として成果を出す準備に入っている。
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