2005 Fiscal Year Annual Research Report
消費に基づく資産価格モデル(C-CAPM)を巡る理論的・実証的諸問題の検討
Project/Area Number |
15330063
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
牧 厚志 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (20051906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 賢治 慶應義塾大学, 経営管理研究科, 助教授 (30317325)
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Keywords | 消費・資産価格モデル / C-CAPM / GMM / 季節調整 / 操作変数 / 時間選好率 / 危険回避度 / モデル検定 |
Research Abstract |
本年度は4年計画(平成15年度から平成18年度)の第3年目に当たり、今年度の研究計画は(1)モデルの具体化、(2)推定プログラムの開発であった。以下でその実績を示す。 (1)モデルの具体化:今年度はGMMの手法を用いて、三つの考察を行った。一つ目は、季節調整の影響に対する考察である。消費に基づく資産価格モデルを推定する際に必要となる季節調整済み実質一人あたり消費成長率に対して、季節調整をかける段階は何段階かある。この順番に応じて消費成長率のモーメントおよびモデル推定量(具体的には、時間選好率と危険回避度)が異なる事を証明した。二つ目は、操作変数の影響に対する考察である。上記モデルを推定する際、消費成長率や株・債券・安全資産収益率等の操作変数が用いられる。この操作変数の数および組み合わせによって、モデル検定(F検定)の結果が異なる事を証明した。三つ目は消費成長率に関し、従来から一般的に行われていた総消費の成長率ばかりではなく多費目に分割した消費率をモデルに導入した。推定結果として、それぞれの費目の危険回避度の和が総消費に似通った値もあるが、大きく外れた値もあった。この点に関して結果の吟味と考察の余地がある。 (3)プログラムの開発:GMMの推定手法について、RATS等の統計パッケージのレディーメードのルーチーン及びGAUSSで書かれたカスタムメードのルーチーンの両者を用いて上記二つの考察を行った。具体的には一つ目の考察には、RATSの既存GMMルーティーンを用いて考察し、二つ目の考察にはGAUSSを用いてHansen, Heaton and Ogakiが作成したプログラムを我々のモデル用に改良して用いた。
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